Merck、2.5以下と低誘電率のTFE用有機材料を開発


○2022年11月10日 UBIリサーチ

 

スマートフォン用flexible OLEDのタッチは大きくadd-on方式とon-cell方式に分けられる。アドオンは、フィルム上部にタッチ電極が実装され、OCAを介してタッチフィルムが封止層上部に粘着される方式である。オンセルは、封止層の上部に直接タッチ電極が形成される方式であり、サムスン電子の「Galaxy」シリーズとAppleの「iPhone」シリーズに適用される主流技術である。

 

On-cell方式はフィルムとOCAを使用せずに直接電極を形成するため材料費節減の効果があるのに対し、フィルムとOCAの部材でタッチ電極とTFTとの距離が短くなり、signal-to-noise(SNR)が増加するという課題がある。

 

2022年11月9日にソウルで開かれたUBIリサーチの「2022年下半期OLED決算セミナー」で、MerckはSNRを減らすためのTFE用低誘電率有機材料を開発していると明らかにし、現在商用化中のTFE用有機材料の3.1 誘電率値を2.5以下まで下げる開発を進めていると発表した。

 

Merckは、最終的にTFTからのノイズを遮断することは、TFEで最も厚い厚さを占める有機物の役割であると述べ、N2環境で利用可能なサンプル材料の開発が完了したと述べた。

 

最後に、Merckは有機物の誘電率が低くなることは膜密度が低くなり信頼性に影響が及ぶことがあるが、研究室環境では信頼性が確保されたと判断しており、パネルメーカーとの協力を通じて量産での信頼性を確保すると述べ、TFE用有機材料の発表を終えた。