2018.10.30 ET News
LGディスプレーが坡州に建設中の10.5世代工場のP10で、既存の大型有機EL(OLED)の量産技術としてWOLED方式を優先採用することに確定した。次世代インクジェット印刷工程の導入を検討したが、実績のある技術を最初に適用するものと解釈される。
30日、業界によると、LGディスプレーは坡州P10工場でホワイト方式大型OLED(WOLED)を優先生産することにした。次世代ディスプレイ市場を準備する工場であるだけに、インクジェットプリンティング方式の適用を検討したが、まずは生産は、既存のWOLEDを採択した。
LGディスプレーはインクジェット印刷のパイロットラインを稼動するなど、数年前から、インクジェットプリンティングの導入を準備してきた。東京エレクトロン(TEL)の印刷装置を中心に量産の可能性を調べた。印刷方式が大型基板では、より有利であるので、10.5世代を印刷工程に基づいて製造することを継続して検討した。
しかし、最初のP10の投資はWOLEDに、まずは確定した。10.5世代基板に初めて挑戦するので、十分な酸化膜トランジスター(TFT)で技術の信頼性を備えることが難しく、失敗のリスクを最小限にしたい戦略とみられる。 世界のLCDの価格が大きな回復の兆しが見えないことも影響を及ぼした。世界LCD業況が今後も悪くなることがあるという見通しが提起されている。
OLED TVパネルの生産量をすぐに増やす必要があり、全体のパフォーマンスの構造が安定化されている点も考慮したものと思われる。LGディスプレーは第3四半期の最初のOLED TVパネル事業で黒字転換した。中国広州工場を来年下半期から稼動して生産量を急速に増やす必要があり、液晶(LCD)販売の減少の影響を減らすことができる。
次世代10.5世代で価格競争力を備えて生産量を増やすことも課題だ。世界のTV市場で60インチ以上の超大型製品が急速に成長しており、OLED TVパネルの生産効率を高めるLCD陣営と競争することができる。
業界では、LGディスプレーがインクジェット印刷の導入には、より慎重を期すると予想した。ディスプレイ市場の環境が萎縮され、事業の実績も悪化して、限られた投資金をすぐにOLED TVパネルの生産量拡大を中心に投入して、事業の安定を図ることを優先するしかないからである。
業界関係者は「インクジェット印刷への関心が高いが、世界の初挑戦という負担と失敗のリスク回避のために、しばらくの時間を経過後に量産性を検証しようという雰囲気だ」と伝えた。