LGディスプレーが、アップルへOLEDパネルを供給することが確定した... サムスンに続く


2017.07.30 ET News

 

アップルは、LGディスプレーを有機EL(OLED)パネルサプライヤに選定した。LGディスプレーはアップルと第2の供給会社の地位になり、年間供給量に合意した。最近発表した坡州の新工場P10内の6世代フレキシブルOLEDライン投資もこれに伴うものである。サムスンディスプレイに続き、LGディスプレーがアップルOLEDサプライヤに選ばれ、両社が供給数量の競争を繰り広げると予想される。

 

30日、業界によると、LGディスプレーは25日に開催した取締役会前までAppleと交渉を重ねた末に、フレキシブルOLEDの供給資格を確保した。これにより、従来のE6での 1万5000枚に加えてP10に月3万枚規模の設備を新たに投資することを決定した。

 

LGディスプレーが10.5世代と第8世代OLEDも同時投資するほどのギリギリの資金状況を考慮して、アップルの投資資金を受けて設備を設ける案も協議している。両社は、Appleが支払う投資の規模、サポート条件などと関連し交渉を重ねていると伝えられた。

 

LGディスプレーは昨年から、Appleと交渉を繰り返してフレキシブルOLEDパネルの供給について議論してきた。フレキシブルOLEDは、液晶(LCD)とは異なり、顧客へのオーダーメイドで製作する。ディスプレイ設備投資に数兆ウォンがかかるほど生産規模などの問題を顧客と合意しなければ、投資を決定することができる。 

 

6世代基板サイズのフレキシブルOLEDの月4万5000枚の生産規模をスマートフォン6インチあたりに換算すると、年間5346万台を生産することができる。仮定の収率を60%に下げても、年間で約3207万台のOLED iPhoneを作ることができる。 

 

LGディスプレーと、Appleは供給数量に合意し、現在のラインへの投資資金の規模を議論している。LGディスプレーはすぐに大規模な資金を支援を受ければ、設備投資の負担は減るが、供給単価が低くなり、利益率が減る。 Appleと年間供給量に合意し、設備投資を開始したが、必ずしも一定の規模を、アップルが購入するという保証はない。iPhoneの販売が予想よりも減れば、残りの量に相当する金額は、LGディスプレーが補償しなければならない。

 

ただし、過去にLCDへの設備投資を受けるときとは雰囲気が全く違う。フレキシブルOLEDを供給できる潜在的なサプライヤーが、サムスンディスプレイを除けば、LGディスプレーしかないからである。 

 

過去のLCD供給締結時には、そうそうたるLCD競合他社が多く、LGディスプレーのほかの選択肢が多かった。大規模な長期供給を獲得するためには、他のLCDメーカーと競合するしかなかった。 

 

フレキシブルOLED市場は全く異なる状況である。中国のBOEが量産と設備の拡張に投資しているが、実際の量産基準には大きく及ばない。LGディスプレーの立場では、第2供給会社の地位を置いて雌雄を争うライバルがない。一方、アップルは、マルチベンダーの構造を備えサプライヤ間の競争システムを備えるほどの第2サプライヤの選定が切実な実情である。過去とは異なり、需要者中心の契約がなされる難しい理由だ。 

 

ある関係者は「LGディスプレーが合計月4万5000枚の投資を決めたのは、今後の市場の状況の変化に応じたリスクを最小限に抑えるために、実際のアプリケーションのニーズよりも保守的な立場から算定した規模であること」としながら、「年間設備投資が3兆〜4兆ウォンから7兆〜8兆ウォン水準に急増するほど増えたので、投資額の負担を最小限に抑えながらも、両社が満足できるレベルでラインの投資条件と規模が決定しただろう」と予想した。 LGディスプレーの関係者は、Appleのサプライヤ確定と関連して「顧客の関連情報は、通知することがない」と述べた。