LGディスプレイの18インチ車両ローラーブルOLEDのカバーウィンドウ素材はTPU


2023/08/29 The Elec

 

LGディスプレイが先月、SIDで初めて公開した18インチの車載用ローラーブルOLEDの試作品において、カバーウィンドウ素材として '熱可塑性ポリウレタン'(TPU)を使用したことが明らかになりました。最近、ローラーブルやスライダーブルなフォームファクタの製品のカバーウィンドウ素材としてTPUの採用が増えています。また、現代モービスはLGディスプレイから供給されたOLEDを使用して完成させた車載用のローラーブルOLEDでは、カバーウィンドウ素材にガラスを採用しました。両製品の曲率半径は、現代モービスのローラーブルOLEDが50R、LGディスプレイのローラーブルOLEDが20Rです。曲率半径が小さいほど、薄く仕上がります。

 

29日、業界によると、LGディスプレイは先月のSIDおよび8月のIMIDなどで公開した18インチの車載用ローラーブル有機ELディスプレイ(OLED)の試作品において、カバーウィンドウ素材として熱可塑性ポリウレタン(TPU:熱硬化性ポリウレタン)を使用したことが明らかになりました。TPUは透明性や光沢などの光学特性が優れており、引張り強度、耐熱強度、耐摩耗性などの機械的特性も優れています。

 

最近、ディスプレイ業界では、ローラーブルやスライダブルなどさまざまなフォームファクタの製品が開発されるにつれて、TPUをカバーウィンドウ素材として使用する傾向が拡大しています。フォルダブルフォンのカバーウィンドウ市場では、ガラス素材である超薄型ガラス(UTG)が、プラスチック素材である透明ポリイミド(PI)フィルムに対して優位性を持っています。一部のフォルダブルフォンモデルやミドルサイズの製品であるフォルダブルノートパソコンなどでは、カバーウィンドウ素材として透明なPIフィルムを使用しています。

 

完成車メーカーは、車載用ローラーブルOLEDのカバーウィンドウ素材としてガラスを好む傾向があるとされています。TPUや透明PIフィルムなどをカバーウィンドウとして採用すると、角度によってしわが目立つ場合や表面が凹凸して見える場合があるためです。ガラスは見やすく、高級感がありますが、割れやすいという欠点もあります。

 

現代モービスの車載用ローラーブルOLED(情報=現代モービス)

現代モービスは、世界で初めて開発したと公表した車載用ローラーブルOLEDのカバーウィンドウ素材はガラスでした。現代モービスは、LGディスプレイから曲率半径50Rの車載用ロールアウトOLEDを供給された後、カバーウィンドウ素材をガラスに変更して公開したとされています。曲率半径50Rは、半径が50mmの円のように折りたたむことができることを意味します。数値が小さいほど、より薄く折りたたむことができます。

一方、LGディスプレイが最近公開した18インチの車載用ローラーブルOLEDの曲率半径は20Rです。これは、以前に現代モービスに供給された曲率半径50RのローラーブルOLEDよりもさらに薄く折りたたむことができる製品です。LGディスプレイが最近公開した製品は試作品であり、今後の技術開発や顧客の要望に応じてカバーウィンドウ素材が変更される可能性があります。

LGディスプレイの18インチの車載用ローラーブルOLEDには、2つの光発光層を積層する「ツースタックタンデム(Two Stack Tandem)」構造が適用されています。LGディスプレイの車載用OLEDは、ツースタックタンデム構造が採用されています。ツースタックタンデム構造を採用することで、製品の寿命を延ばすことができます。

一方、今年6月、現代モービスは、「OLED自体の製造は行っていませんが、OLEDの仕様をパネルメーカーと協議し、仕様に基づいて製造されたOLEDを車に合わせて信頼性を確認し、機能を追加しています」と述べました。また、現代モービスは、「完成車メーカーごとに異なる要件を実現するのがティア-1の役割」とし、「ディスプレイメーカーからパネルを取り、さまざまな方法で応用することが基本的な原則である」と説明しました。当時、現代モービスは「ロールアウトパネルの製造メーカーは明らかにできない」とし、「さまざまなパネルメーカーとローラーブル関連のフレキシブルOLEDの開発と協力を進めている」と答えました。