2017年1月 26日 UBIリサーチ
LGディスプレイが本格的に有機ELを中心に事業のポートフォリオを変更する。 LGディスプレイは1月24日行われた2016年の第四四半期の実績カンファレンスコールで、今年5兆ウォン(5,000億円)中終盤ぐらいの設備投資を敢行すると表明し、Gen6プラスチック有機ELと大型有機ELなど、有機ELに対する様々な投資が執行されることを明らかにした。
金LGディスプレイCFOは“事業の効率性のため、既存の五つの事業部をテレビと IT, モバイルなど、三つの事業部として統合し事業の構造を改変した“と述べ、”大型有機ELは画質から、デザインと価格を重視し、中小型有機ELは亀尾(グミ)のE5ラインでのGen6 のPOLEDでモバイルと自動車向け事業に集中する“ことを明らかにした。また、POLEDのためのGen6 のE5の工場は、2017年第三四半期から本格的に量産へ突入することになると予想した。新規の大型パネルの製造について“新規で生産される有機ELのサイズは55インチと65インチ、77インチで、2017年の65インチ以上の製造の比重は2016年度の30%からさらに10%が増え、40%以上になるだろう“と述べた。
金専務は“今年の有機ELテレビの展望と需率の改善による有機ELテレビの製造能力については、下半期に総6万枚の製造能力を確保したし、これは2016年比の二倍で150万から180万台ぐらいの生産を意味する“と述べた。また、”大型有機ELテレビの需率は80%以上を確保した “と強調した。
最近の課題となっている中国業界の大型 LCDパネルラインの増設に対抗する戦略は、LGは第8.5世代の有機ELとLCDは充分に量産が可能だが、 Gen10以上での投資は技術と量産、生産性など、検討すべき課題が多いと述べ、今後60インチ以上の、大型4K, 8Kの市場への対応のための増設の可否は慎重に対応することを明らかにした。またLGディスプレイの中長期的な戦略は有機ELを拡大することで、有機ELの新しい市場を形成するのが方針であることを加えた。
LCDテレビとの価格比較については“有機ELの今年の有機EL追加増設を通して約6万枚以上の製造能力を追加したが、これは150万台から180万台のテレビの拡大の水準だ“と述べ、”全体のテレビ市場の規模から見て極めて小さい規模で、LCDとの価格の比較は意味がない“と言及した。 LGディスプレイは有機ELテレビのターゲティングが
LCDとの競争ではなく、ただ、ハイエンドプレミアムテレビの市場であることを強調しながら、2017年を起点として、サイン、放送用、メディカルなど、産業用への有機ELの市場の拡張を準備していることを明らかにした。
一方、今月の初め、アメリカラスベガスで開かれたCES 2017で公開したクリスタルサウンドの評価については、“ LGディスプレイが供給したクリスタルサウンドパネルに戦略的なパートナーであるセット業界がサウンドコントロールとアルゴリズムを通してサウンドを更に改善したこと”を明らかにし、“有機ELパネルの 四分面サウンド制御の技術は LGディスプレイ独自の技術だ“と言及した。
LGディスプレイは四半期売上7兆9360億ウォン、営業利益9040億ウォンを達成し、19個半期連続の営業利益の黒字を継続していき、当期純利益は8247億ウォンで前四半期比で335%増加した。製品別の売上比重は、テレビが38%で最も大きい比重を占め、モバイルが31%、ノートパソコンとタブレットが17%、モニターが14%を占めた。パネル価格の上昇と需要の増加などで好調勢を維持し、年間の売上は26兆5041億ウォン、営業利益は1兆3114億ウォンを記録しながら四年連続、営業利益1兆ウォンを突破した。
一方、UBリサーチによると、 LGディスプレイの50インチ以上の大面積の有機ELパネルは2017年に150万台が出荷される見込み。