2023年6月22日 The Elec
LGディスプレイ、今月からサムスン電子にW-OLED TVパネルを供給します。サムスン電子は今月初旬、LGディスプレイにW-OLED TVパネルを少量発注しました。これは下半期にW-OLED TVを公開するための製品開発の目的であると推定されます。サムスン電子とLGディスプレイの両社が開発費やマーケティング費用などについて合意し、最終契約を締結することが予想されています。
業界によれば、サムスン電子は今月初旬、LGディスプレイにホワイト(W)OLED TVパネルを少量発注したと報じられています。サムスン電子は後半に公開予定のW-OLED TVの開発のために、LGディスプレイにW-OLED TVパネルを少量発注したとされています。LGディスプレイは今月からサムスン電子に対応するW-OLED TVパネルを供給する見込みです。
ただし、サムスン電子とLGディスプレイはまだ今年の残りの期間や来年の数量を含む全体の最終契約を締結していません。過去3年間、コロナ19の拡大により2020年から2022年までTVを含むIT製品の需要が生じ、最近はTV市況が悪化しているなど、市場の不確実性が依然として存在しているためです。
同時に、サムスン電子がLGディスプレイにカスタムW-OLED TVパネルの開発を要求したと報じられていますが、開発費や将来のマーケティング費用などに関して双方で意見が異なるとされています。一般的に、アメリカのベストバイなどの小売業者にTV製品を販売する際に、ここで必要なマーケティング費用をTVセットメーカーが負担する場合もあり、パネルメーカーが支払うケースもあります。
双方が最終契約を締結していないものの、サムスン電子がLGディスプレイから77インチと83インチのW-OLED TVパネルを供給する方向性自体は固まっているとされています。今回の発注を皮切りに供給量が徐々に増えることで、双方の最終契約締結につながると推測されています。
サムスン電子の今年のW-OLED TV出荷量は20万〜30万台のレベルで推定されています。パネルの供給量は完成品の数量よりも余裕を持って供給されるため、LGディスプレイが今年サムスン電子に納品するW-OLED TVパネルの供給量は20万〜30万台よりも多いと予想されています。
来年の納品量は100万〜150万台と推定されています。当初、LGディスプレイは来年のW-OLED TVパネルの供給量を200万台を大幅に上回る水準まで要求しましたが、サムスン電子がLGディスプレイから調達するW-OLED TVパネルが大画面(77インチ・83インチ)製品であるため、そのように多くの量は必要ありません。現在、TV市況が良くないため、サムスン電子もW-OLED TVパネルの大量購入は容易ではありません。
サムスン電子は、サムスンディスプレイから55インチ、65インチ、77インチのQD-OLED TVパネルを供給し、LGディスプレイから77インチと83インチのW-OLED TVパネルを受け取り、OLED TVラインアップを構築する計画です。55インチと65インチはQD-OLEDのみで構成し、77インチはQD-OLEDとW-OLEDを併用し、83インチはW-OLEDのみを採用します。
サムスン電子は、LGディスプレイの京畿道坡州工場で生産されるW-OLED TVパネルのみを受け取りたいと報じられています。LGディスプレイのW-OLED工場は中国の広州にもあります。
LGディスプレイは現在、W-OLED生産ラインの稼働率が40〜50%の水準にとどまっており、今年を皮切りにサムスン電子へのW-OLED TVパネルの納品は業績改善に役立つと予想されています。LGディスプレイが来年にサムスン電子に100万〜150万台のW-OLED TVパネルを供給すれば、サムスン電子は日本のソニーを抜いて2番目のW-OLED TVパネル顧客となります。これまでLGグループの系列会社であるLG電子が1位、ソニーが2位でした。
一方、サムスン電子のミニ発光ダイオード(LED)TVである「ネオQLED」シリーズの出荷量は、今年は減少すると予想されています。サムスン電子は昨年、ネオQLED TVを240万台出荷しましたが、今年の出荷量は210万台と推定されています。最近、流通側からはミニLED TVよりもOLED TVを優先的に求める場合もあると報じられています。現在、サムスン電子はネオQLED TVの出荷量も昨年と同じ水準を維持しながら、W-OLED TVの出荷量も増やす計画です。