2022.10.21 The Elec
LGディスプレイがサムスン電子を顧客会社として獲得すれば、来年に大型W-OLEDを900万台出荷できるだろうという見通しが出た。サムスン電子を顧客にできない場合、LGディスプレイの来年のW-OLED出荷量予想値は750万台だ。サムスンディスプレイのQD-OLED出荷量は今年130万台から来年に最大240万台まで増えると見込まれた。
市場調査会社オムディアのチョン・ユンソン常務は20日、ソウルで開かれた「2022年韓国ディスプレイカンファレンス」で「LGディスプレイの来年ホワイト(W)-有機EL(OLED)出荷量は2つのシナリオを仮定できる」としこのように明らかにした。チョン常務は「LGディスプレイがサムスン電子を顧客企業として獲得すれば、来年にW-OLEDを900万台まで出荷できるだろうが、そうでなければW-OLED出荷量は750万台にとどまるだろう」と展望した。
今年、LGディスプレイのW-OLED出荷量見通しは大型液晶(LCD)の価格急落とともに持続的に減少した。サムスン電子とW-OLED供給交渉が進行中だった昨年の第4四半期、今年のLGディスプレイW-OLED出荷量は1000万台と見込まれたが、この数値は時間が経つにつれ下落した。チョン常務は「去る第2四半期、今年のW-OLED出荷量が既存の1000万台より少ない830万台と予想されたが、現在では830万台も難しいようだ」と予想した。830万台はTVパネルとモニターパネルを加えた数値だ。
サムスン電子がLGディスプレイのW-OLEDを大量購入するには、サムスンディスプレイのクォンタムドット(QD)-OLEDの量をまず消化しなければならない。チョン常務は「サムスンディスプレイのQD-OLED出荷量は今年130万台から来年は200万~240万台に増えるだろう」と展望した。来年の物量見通しでテレビパネルは140万~160万台、モニターパネルは60万~80万台などだ。
サムスンディスプレイが上半期のQD-OLED生産収率85%を達成し、効率向上などでQ1ラインのQD-OLED生産能力も(8.5世代ガラス原版投入基準)既存月3万(30K)場で来年には4万(40K)枚まで30%拡大するだろう」と展望した。続いて「生産能力の拡大に支えられ、77インチと49インチのパネル出荷量を増やすだろう」と期待した。今年は34インチモニターパネルと55インチ、65インチテレビパネルを生産した。今年のQD-OLED出荷量予想値130万台も当初期待した150万台より少ない。
続いてチョン常務は「QD-OLED 2段階投資がどうなるかは分からない」としながらも「2段階投資が進めばQD-OLEDは8K実装とコスト削減などで市場拡大を狙うだろう」と展望した。この日、パク・ジンハンオムディア理事の発表資料には2段階投資でQD-OLEDに青色リン光素子を適用するという内容が紹介された。現在量産中のQD-OLEDは、青色蛍光3層、緑色燐光1層の4層タンデム(Four Tandem)構造を適用している。青色蛍光材料を内部発光効率が4倍の青色燐光材料に置き換えれば、3層タンデム(Three Tandem)構造に変えてコストを節約することができる。
チョン常務は「OLEDが大型LCDパネル価格の影響を多く受ける」とし「昨年下半期から大型LCD価格が急落し、OLEDと価格差も広がり、このためLGディスプレイW-OLED事業も困難を経験した」と明らかにした。コロナ19が拡散していた時期に大型LCD価格が急騰し、W-OLEDが利益を得たが、LCD価格が急落してW-OLED需要も同時に減ったという説明だ。