2019.12.19 ET News
LGディスプレーが、2020年下半期に市場に登場するキャデラックの4世代「エスカレード」の38インチ曲面有機EL(OLED)ディスプレイを供給する。来年から自動車用OLED量産に本格突入する。
19日、業界によると、LGディスプレーは、キャデラックが7年ぶりのフルチェンジモデル車である新型「エスカレード」の38インチカーブドOLEDを供給することになった。キャデラックは、来年2月に米国ロサンゼルスで新型モデルを正式公開する予定である。
キャデラック新型エスカレードに装着された38インチのカーブドOLED (写真=キャデラック)
自動車用OLEDは、主に10インチ前後のサイズで、車両の動作状態を表示し、制御する中央情報ディスプレイ(CID)、運転者に情報を提供するインストルメントパネル(クラスタ)と後部座席の乗員のためのエンターテイメント用ディスプレイ(RSE)に区分される。
新型キャデラックでは大型38インチカーブドOLEDを採用して、CIDとクラスタを統合した。屋外視認性が高く、深い黒の色を実現するOLEDで安全性と車両の内部のデザイン性を高めると思われる。
LGディスプレーはフレキシブルOLEDで、自動車ディスプレイ市場を攻略している。特に自動車のディスプレイが大型化されている傾向に合わせて、5インチ以上の高付加価値な大面積製品に営業力を集中した。自動車用LCDで長年の経験を積んでいるので、フレキシブルOLEDが新たに自動車ディスプレイ市場をリードできるという戦略である。
特に20インチ以上の大型車両用ディスプレイ市場の需要がより大きくなるので、独自技術を活用して市場を攻略する計画だ。車載用OLEDの場合は、来年から本格量産を開始できるので、萎縮している中小型フレキシブルOLED事業に活気を吹き込むものと期待している。
LGディスプレーは5インチ以上の車載ディスプレイ市場で2017年第1四半期から第2四半期までの10四半期連続の出荷で、売上、面積の両方の世界1位を維持している。
LGディスプレー側は「特定顧客に納品するかどうかを確認ができない」と答えた。
「カーディスプレイは、信頼性の確保がカギであるだけに、参入障壁が高く、後発メーカが追撃する厳しい市場」と述べた。