2018.06.06 ET News
ロシアのワールドカップの開催などで液晶(LCD)TVパネル価格下落が止まり、反発するだろうとの見通しが揺らいでいる。パネルメーカはワールドカップを控えて稼働率をむしろ減らしたが、パネルの価格はさらに下落した。パネル出荷のシーズンの第3四半期に反発する余地があっても、このような傾向が続けば楽観できない。
6日、業界によると、5月のパネル価格が4月に続いて下落し、6月にも大きな変化は無く、そのまま下落を続けている。ロシアのワールドカップが有り、下半期の季節的な出荷のシーズンを控えて、TV業界がパネルの在庫を蓄積しているが、別の原因で市況が低迷している。
業界では、当初はLCDの価格が底を打って、第3四半期から反騰するサイクルを期待した。しかし、これまでの流れのままに、低価格を維持する期間が長期化する可能性を排除することができなくなった。
市場調査会社のLCD TVパネルの価格調査によると、5月に後半のTVパネルの平均価格は187.4ドルで、昨年1月以来の低水準となった。
昨年下半期からパネルの価格が下落することにより、TVセットメーカーは、新製品の価格を引き下げるなどのプロモーションを行っている。その結果、第1四半期の世界TV出荷台数が前年同期比で大幅に増加した。
市場調査会社IHS資料によると、第1四半期の世界のTV出荷台数は前年同期比7.9%増の5060万台を記録した。このうちLCD TVは7.5%増の5010万台、OLED TVは115.8%増の47万台をそれぞれ達成した。ロシアのワールドカップを控えて南米地域のTV出荷台数も前年同期比で増加した。
パネル市場には、この恩恵が回らない。TV出荷台数は増えたが、パネルの価格下落には、特に影響が見られない。韓国と台湾のパネルメーカは稼働率を下方修正してパネルの価格維持に乗り出したが、これも目に見える変化を引き出せずにいる。
TV業界がピークに備えて在庫を蓄積する必要がが、そのような動きは見られないからである。中国のBOEの 10.5世代が稼動を開始し、中国での新第8世代工場も稼動しており、LCDパネルの需給バランスで供給が多めであると判断される。
IHSのパク理事は「BOE 10.5世代工場から出荷されている量が供給過剰を深めるほど多くはない」とし「現在TVセットメーカのゆっくりとした動きとパネルメーカの萎縮は、実際の変化よりも心理影響が大きい」と分析した。
国内外の市場環境は、今年に続き来年もLCD供給過剰が続くと懸念される。時間が経過すると、BOEは 10.5世代の稼働率を向上することができ、来年にはチャイナスターの最初の10.5世代工場も稼動を開始する。韓国と台湾が稼働率を下げても、最大の生産国である中国で稼働率が上がり、全体のパネルの生産量を減少させる効果を出すのが難しい。LCD不況が予想よりも長くなる可能性に対する懸念が高まっている。
IHSの理事は「TVの需要が急増しない限り、パネルの価格反騰は期待しにくい」とし「不況が長期化する可能性を念頭に置くべきである」と述べた。