2018.03.19 ET News
コーロンインダストリーとSKCが新成長製品として開発中の透明ポリイミド(PI)事業で、相反する戦略を広げて目を引いている。両社は、市場攻略時点を異に持っているだけでなく、透明PI事業の重要な要素であるフィルム加工においても、反対の戦略を示し対照的である。
◇透明PIビジネスの開始時期は2018年か2019年か
両社は、まず、透明PI量産時点を異にしている。コーロンインダストリーは2018年、SKCは2019年の量産が目標だ。コーロンインダストリーは2016年8月の設備投資を断行して、今月末に完成を控えている。一方、SKCは、昨年末の投資を決定し、2019年7月までの設備を備えており、10月に量産を目指している。
量産時に1年ほどの差が生じたのは、市場へのアプローチが違っている。コーロンインダストリーは積極的な投資を通じた市場の先取りに重点を置いたが、SKCは市場の活性化を待っている慎重な戦略である。
コーロンインダストリーは2016年8月に量産投資を決定し、「世界初の透明PI量産投資を決定したのは、新技術を使用して、次世代ディスプレイ市場を早期に先取りして、将来のディスプレイ市場を主導していく会社の意志が反映された」と述べた。それとともに「透明PIフィルムの生産が開始されると、スマートフォンメーカーが次世代携帯電話に準備しているフォルダブルスマートフォン発売が早まることが期待される」と強調した。
SKCは2019年では需要が少ないと判断している。初期の市場にあらかじめ進入する必要がないということだ。
SKCは「市場調査機関によると、フォルダブルディスプレイ機器市場は2019〜2020年の間に本格化して2022年5100万台に成長する見通し」とし「2019年下半期は、ビジネスは少ない」と主張した。
◇透明PIフィルムの表面コーティング技術
透明PIは、フォルダブルスマートフォンのウィンドウカバー素材に選ばれる。現在、スマートフォン、Windowsのカバーとして使用されるガラスは、折りたたみが可能であるフォルダブルスマートフォンの開発に最大の障害だった。透明PIへの関心で市場の注目を受ける理由であり、コーロンインダストリー、SKC、住友化学などが開発に乗り出す背景である。
ところが、ウィンドウカバーの重要な役割は、外部の衝撃からディスプレイを保護することにある。これは透明PIフィルムをどのようにコーティングするかが問題だ。衝撃を吸収しながら傷がつかず、同時に10万回以上曲げても変形がない高硬度な特殊コーティングを実施する。
コーティングが透明PIの商品化に重要な要素であるが、コーロンインダストリーとSKCはコーティングは、さまざまなアプローチを選択した。SKCはコーティングまで内製化を推進したが、他方のコーロンインダストリーは独自のコーティングよりも専門企業との協力に重きを置いている。
コーロンインダストリー関係者は「コーティング専門業者にフィルムを供給することが優先だ」と語った。ただしコーロンインダストリーにコーティングまで要求する顧客も多く、今後の製造価格が重要な要素になる時に備えて、独自の開発と生産技術の確保を同時進行していると付け加えた。
SKCは透明PIフィルムに高硬度コーティングを加工することをSKCハイテクアンドマーケティング(HT&M)に任せる予定である。ハイテクアンドマーケティングは、2017年にSKCが100%子会社で吸収した光学フィルム加工の専門企業である。SKCがダウ・ケミカルからSKCハースディスプレイフィルム持分51%を約800億ウォンで買収した後、社名をSKCハイテクアンドマーケティングに変えた。コーティングを内製化した。
両社の勝負はそれほど長くはかからない見通しだ。サムスン電子は2018年内にフォルダブルスマートフォンの量産を進めている。サムスンフォルダブルフォンに入る透明PI供給権を誰が得るか、またフォルダブルポンを始まりに本格開花させ、透明PI市場の売り上げをどの企業が得るかの成り行きが注目される。
ユンゴンイル電子/部品専門記者benyun@etnews.com