2016.08.25 ETnews
iPhoneの製造に向けたサムスンディスプレイの有機EL(OLED)パネルの材料構成の決定を控えて、大多数の素材メーカーに緊張状態に入った。微調整で寿命と効率を高めるOLED材料の特性上、マルチベンダーの運営が難しいためである。素材メーカーの関係者は、脱落と選定で薄氷を歩く気分、と表現した。
25日業界によれば、iPhoneに入るOLEDパネルの材料構成は、9〜10月に概要があらわれるものと見られる。サムスンディスプレイの関係者は、開発スケジュールは、一般的に顧客のニーズに応じて、前倒したり遅れることができるとし、ディスプレイパネルの仕様は、部品に入る完成品発売時期に合わせて決定される、と説明した。
アップルのiPhoneの4Sは2011年10月に発売された。以来、後続の戦略モデルと派生製品を発売した月は、すべて9月だった。今年3月にリリースしたiPhoneの5SEは普及型モデルである。6Sの後継のiPhone 7(仮称)は、今年9月に発売が有力である。OLEDパネルを搭載した新型のiPhoneも、これまでのリリースサイクルを逸脱しないと業界は見ている。
素材メーカーの関係者は、研究者は今年の夏の休暇も返上し、サンプル対応した、とし、材料は一度試してみてから終わりではなく、何度もテストを経る、と伝えた。OLED材料の構成は、発光層(EML)と共通の層の間に最適の材料相性を見つけることである。光を出す発光層を共通層がサンドイッチのように上下に挟んでおり、発光層の効率と寿命を最大化する。
19日から販売されているサムスン電子のギャラクシーノート7に適用されたOLEDパネルの材料構成は、前作であるギャラクシーS7、ギャラクシーS6と同じである。発光層の燐光レッドホスト(host)は、米国ダウケミカル、燐光緑色ホストはサムスンSDI、蛍光青色ホストは、日本の出光興産がそれぞれ供給した。
燐光ドーパント特許を多数保有している米国のUDCが燐光赤色、緑色ドーパントを担当した。青色は、蛍光ドーパントを使用した。日本の出光は蛍光青色ドーパント材料を供給した。
発光材料は、電気エネルギーの転移で光を出す。発光層を挟んで、電子(electron)が移動する層と正孔(hole)を運ぶ層がそれぞれ陰極(Cathode)と陽極(Anode)に接続されている。
通常、電子と正孔が発光層で出会って光が発生すると表現される。空き領域(正孔)が発生して、電気エネルギーを帯びた電子が発光層に到着するという意味だ。正孔は電子が抜けた空間を指す化学モデルをいう。
光に転移されるエネルギーの量が発光色を決定する。赤色、緑色、青色の順に光の波長は長くなる。波長が短いほど保有しているエネルギーが大きい。青色発光材料は、赤色、より光に放出されるエネルギーの値であるバンドギャップ(band-gap)が大きい。バンドギャップエネルギーを調節、色の濃度を決定する。
サムスンディスプレイはギャラクシーSシリーズのOLEDパネルを納品し、特定の色を濃くしたり、薄くするなどの材料構成を異にした。赤い色を好む中国市場を念頭に置いてレッドを強調することも可能である。
材料に精通したサムスン出身の業界関係者は、「OLED材料を生産するメーカーは、単層ではなく、発光層、共通層にわたるほぼすべての素材を扱う」とし「サムスンディスプレイが素材の選定に脱落した企業に外注製作を任せ物量を分けることもある」と述べた。
徳山ネオルックスは燐光赤色ホスト、サムスンが持分投資したSFCは、蛍光青色材料にそれぞれ強い。MBK(旧CSのエルソーラー)は、斗山電子を介して、サムスンディスプレイに正孔輸送層(HTL)を供給した。燐光緑色、蛍光青色材料の開発にも力を入れている。ドイツのメルクは昨年5月に700万ユーロ(88億ウォン)を投資し、OLEDアプリケーションセンターを作った。