Helioがペロブスカイトディスプレイ材料の生産を開始


2023.12.07  Business Weekly

 

ケンブリッジ大学とオックスフォード大学で共同開発された驚異的なペロブスカイトベースのディスプレイ材料が、Helio Display Materialsでのパイロットスケールの生産に移行しています。この材料は、より明るく、よりカラフルで消費電力が低く、次世代のディスプレイアーキテクチャを簡素化します。

 

この材料は、光をフィルタリングするのではなく、光を変換することで望ましい色の光を生成し、最大40%の電力削減と色域の大幅な改善を実現します。

 

ペロブスカイトでは、発光する光の波長を化学組成で調整できます。これは、同じ大きさのナノスケール粒子で量子制約を利用する量子ドットとは対照的です。組成による色は、量子ドットに比べてペロブスカイトの製造プロセスを大幅に簡素化し、標準的な化学工業のプロセスと設備の使用を可能にします。

 

ペロブスカイト材料は、赤色のサブピクセルでは青色の光を赤に、緑色のサブピクセルでは青色の光を緑に効率的に変換します。この材料は、ディスプレイメーカーにフォトレジストまたはインクジェットインクとして提供されます。入射する青色の光は、ディスプレイ構造に応じて、効率的な青色LED / マイクロLEDまたは青色OLED層から発生します。

 

ペロブスカイト材料のパイロットスケールの製造は、Helioで2024年第1四半期から開始され、Helioの顧客による製品開発および認証を支援するために必要な量と再現性を提供します。拡張された施設は、2025年に計画されているスケールの次の段階に先立って、製造プロセスの開発のためのプラットフォームも提供します。

 

"マイクロディスプレイから壁掛けテレビまで、Helioの素材はディスプレイアプリケーションの範囲全体で大きなポテンシャルを持っています"と、HelioのCEOであるサイモン・ジョーンズ氏は述べています。「光変換性能において勝利するだけでなく、量子ドットと比べて量産段階に到達するための資本投資が10分の1で済むのです」。