GLOBAL TECH KOREA 2021でのサムスンディスプレイの講演、ディスプレイの革新:フォーム・ファクタ、省エネ、色再現


2021年9月10日 UBIリサーチ

 

2021年9月に開かれた「GLOBAL TECH KOREA 2021」でサムスンディスプレイの次世代研究室長(イ・チャンヒ副社長)は、「ディスプレイの革新:フォームファクタ、省エネ、色」をテーマに基調講演を行った。

 

副社長は、最初にフォームファクタについて「過去に50%のレベルにとどまっていた画面の使用率(screen-to-body ratio)が最近85%以上のレベルに達し、さらににフルスクリーンにするためのUPC(Under Panel Camera)技術の導入を進めている」と話した。UPC技術は、スマートフォンだけでなく、ノートパソコンにも適用することができ、さらにカメラの解像度を高め、カメラの無い周辺の画面のような輝度、彩度を作成できるようにできる高度な技術が必要であるとも述べた。

 

副社長は、「2010年にはフラットだった画面がフォルダブル、ローラーブルなど、様々なフォームファクタに進化し、耐久性や利便性、使用感においてほとんど不快感が消えた」と述べた。また、この副社長は、「OLEDやトランジスタなどのアクティブ素子は、応力の中立面に位置させて複数の層によって保護受けるように設計しており、厚さを減らし、耐久性を高めたUTGでフォルダブルディスプレイを製造することができた」と伝えた。続いて、副社長は、「折り畳みだけでなくローラーブルも製作する場合、はるかに体積が小さくなり、現在に商用化できるほどの技術の完成度が高い。」と言って、「反復的な変形と復元が可能な物性に優れた素材が開発されて、機構的にも丈夫に作ることができる技術を用いて、複数の製品に採用されるだろう」と展望した。これに加えて、この副社長は、「伸び縮むするストレッチャブルなディスプレイも製作がされており、まだ商用製品に時間が必要だが技術的には可能である」と付け加えた。

 

省エネの面では、この副社長は、サムスンディスプレイの「エコスクエアOLED」は「偏光板を除去して、消費電力を低減させる技術」と説明し、「このような技術をさらに発展させて消費電力がさらに減少することができるようしている。」と述べた。またソフトウェア側では、「従来よりも効率的にOLEDディスプレイを利用することができる「ウィンドウ11のダークモード」が発売されOLEDの発光消費電力を25%以上を低下させることが可能である。」と述べた。

 

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色再現率の面では、副社長は、「彩度が高く、色の範囲が広いほど、人体に明るく認知がさる」と述べ、「XCR(experienced color range)と呼ばれる新しい指数を開発し、これにより、ディスプレイの画質を評価している。」と言及した。また、「量子ドットを用いた消費電力が低く、彩度の高いディスプレイを開発中」とし「すでにLCDに適用されてサムスン電子のQLEDに適用されており、QD-OLED製品もまもなく発売される予定であり、QD-LEDも開発予定ある。」と発表した。

 

最後に、この副社長は、「多様なセンサーがディスプレイに結合されて適用される中で、さまざまなフォームファクタとサイズ、画質の面で革新的な発展したアプリケーションの変化も広くなった」と述べて、「パネルメーカーメーカーだけでなく、素材、部品、製造装置など、様々な分野の企業が協力して技術革新を遂げていかなければならない。」と強調した。