CYNORAのTADF材料の研究開発の目標


2017年3月10日 UBIリサーチ

 

第3回のOLED KOREA CONFERENCEでCYNORAのAndreas Haldiは高効率な青色TADF発光材料:material in high demandをテーマに、これまでの研究結果と今後の開発の方向を発表した。

 

Andreas Haldiはdeep-blue TADF発光材料は、スペクトル特性の開発と、ホスト材料とゲスト材料の相互作用についての詳細な分析をしたと述べた。これにより、deep-blue TADF発光材料のEQE(1000nitsを基準)を15%から24%に、寿命(500nits基準)は、300時間から1,000時間のレベルまで向上させた明らかにした。

 

 

しかし、deep-blue TADF発光材料をOLEDに適用したときの、材料のquenchingにより効率と寿命が減少する現象を説明した。これらの問題を解決するためにCYNORAはパネルメーカーと共同開発を進めており、携帯電話やTV用のdeep-blue TADF発光材料の量産目標を、2017年12月までとし、CIEyは0.2未満、EQE(1000nits)は、15%以上、 LT97(700nits)は100時間以上に達する計画と付け加えた。

 

Andreas Haldiは改善されたdeep-blue TADF発光材料を使用する場合、製造コストと消費電力が減少するとともに、解像度が改善されたOLED ディスプレイを製造することができ、主要なパネルメーカーの大規模な真空プロセスラインに適用されることが期待されると述べた。

 

また、light-blue TADF発光材料については、材料精製技術と、注入層、輸送層、ブロック層の適正なデバイス構造に適用することができるホスト材料とスタック構造を、開発したと語った。

 

今後の青色発光材料開発の方向については、ELピークを最大に向上して、60nmの半値全幅 と460nmの波長帯を持つdeep-blue TADF発光材料を目指して開発する予定だと発表を終えた。

 

CYNORAはTADF材料と関連して数年で活発な研究を進めてきた代表的な企業で、OLEDディスプレイの性能改善の最大の問題である青色発光材料の開発に重点を置いている。