2020.01.12 ET News
サムスンディスプレイは、次世代大型ディスプレイ技術である「量子ドット(QD)OLEDディスプレイ」でも8K市場を狙っている。TVやモニター用パネルの両方8Kを目指し準備しながら、プレミアム大型ディスプレイ市場の主導権を既存の有機EL(OLED)から確実に奪う戦略と解釈される。
業界によると、サムスンディスプレイは7〜10日(現地時間)、米国ライラスベガスで開催されたCES 2020で、プライベートのブースを設けて8Kと4K解像度31.5インチ・65インチQDディスプレイパネルを示した。
サムスンディスプレイは、限られた顧客を対象に開発している製品のデモをしただけで、具体的な仕様は公開しなかった。最近QDディスプレイ生産設備発注を開始しただけで、まだ最終量産品に近いレベルではないと分析される。ただし、比較的最近の技術を適用した試作品なので、現在、サムスンディスプレイ技術レベルがどの程度なのかを計ることができる。
そのプロトタイプのデモンストレーションを観覧した複数の関係者によると、サムスンディスプレイはプライベートブース内に別途スペースを設けてQDディスプレイの試作品を披露した。このブースには、招待されたすべての顧客ではなく、一部だけを対象にしたものと推定される。
現在、サムスンディスプレイが生産を準備しているQDディスプレイは青色OLEDを発光源として、緑と赤の量子ドットを実装する一種のハイブリッド技術である。最終的な目標は、赤・緑・青(RGB)の3色をQD自ら発光する電気発光(EL)-QD、すなわち自発光QLEDを実装するものである。自発光QLEDを実装するには、素材・装備・工程がすべてを準備されなければしかし、高難度の技術が要求されて商用化まで何年もかかると専門家は予想している。
サムスンディスプレイは、次世代TV市場に対応技術する8Kから準備するものと見られる。緑と赤より寿命が短い、青色OLED素子厚く形成して青色層を二重に構成し、発光層の寿命と性能を安定的に作る注力したことが分かった。
今回のQDディスプレイの試作品を見た関係者は概して「LGディスプレーのホワイトOLED(WOLED)より色再現力が優れている」と評価した。QDが高い色再現力が強みであるだけにWOLEDより鮮明に色を表現できるようだ。
液晶(LCD)の限界として指摘されてきた視野角の問題も解消したものと思われる。LCD TVは正面ではなく、側面から見たときの色が変化して見えたり、明るさが異なって見えるなどの画像の歪みが発生する。一方、QD-OLEDディスプレイは、このような問題が見えないというのが大半の意見だ。
しかし、まだ解決すべき問題も多く見られる。OLEDと同じ構造を採用したが、OLED強みである深い黒の色をまだ実現できなかったという評価だ。
一部では、発熱感が相当であるという問題も議論された。
ある関係者は、「輝度を最大に高めるセッティングでは、相対的に発熱が大きい」とし、「まだ完成していない試作品であり、実際の生産まで1年余りの時間があることを勘案すれば、肯定的に思える」と評した。