2017.11.27 ET News
中国最大のディスプレイメーカーのBOEがアップル向けにフレキシブル有機EL(OLED)の供給計画を進めている。大規模なアップル向け専用ラインを作る計画だ。最近BOE役員がアップルを訪問し、このような事業戦略を共有したことで知られており、両社の契約が成立することがか成り行きが注目される。
現在、アップルのフレキシブルOLEDを供給している会社は、サムスンディスプレイがのみである。ここで、LGディスプレーが追加サプライヤで議論された状況で、さらにBOEが候補として浮上した。
27日、複数の業界関係者によると、BOEは、綿陽市に設けたB11と、現在の投資を企画しているB12をアップル専用ラインで構築するという方針を立てた。
その内容はBOEがB11でフレキシブルOLEDを70%、フォルーダブルパネルを30%の割合で生産する計画である。B12ラインでは、フレキシブルとフォルダブルパネルを各50%の割合で量産する予定である。 B11は、成都のB7に続くBOEの第二のフレキシブルOLED工場である。総額で465億元(約7,900億円)が投入される予定である。6月からの主な前工程装置の発注が開始された。 B12投資はまだ確定していないが、場所は重慶が有力である。BOEはB11とB12のラインの投資を同時に比較検討してきた。すでに内部でB12のための独立したチームを設けた。 BOEはB11とB12の構築内容をアップルに提示したことが分かった。アップルの要求に応じて決定された投資かどうかは確認されなかったが、BOEがアップルに積極的に接近しているという点は明らかである。
アップルのサプライヤに選ばれるために、アップルが要求した製造装置や技術方式を適用しなければならない。サンプルを生産して、複数回の性能と品質テストを経て、最終的基準を通過しなければならない長いプロセスも必要である。BOEは、アップルの要求に合うように生産ラインを設ける場合でも最終合格を受けなければ供給が可能にすることができない。
BOEの動きは、ディスプレイ業界を緊張させる要素である。アップルは現在、サムスンディスプレイから、iPhone用のフレキシブルOLEDを独占的に供給されている。依存度が大きい状況であるため、サムスンディスプレイのほか、新しいフレキシブルOLEDサプライヤを探している。今までで最も有力な追加サプライヤ候補としてLGディスプレーが議論されてきたが、BOEとの競争を排除することできなくなった。BOEとアップルの契約が成立すれば、フレキシブルOLED市場で一気にトップグループに仲間入りするきっかけになるものと予想される。
これまでBOEがアップルを攻略するためにどのような戦略をとるかは知られていなかった。BOEはフレキシブルだけでなく、フォルダブルOLEDの生産までの目標とした点が注目される。フォルダブルは折りたたみ可能なディスプレイである。次世代スマートフォンやタブレットを実装する必須の技術として注目されている。BOEは、パネルを内側に折りたためるフォルダブル」、外に折り畳みめるアウトフォルダブル方式の両方の研究開発(R&D)で試作品を公開したことがある。
BOEのOLED技術は、サムスンやLGに比べて不足しているが、中国のディスプレイメーカーの中では、完成度が最も高い評価を受けている。実際BOEは、最近に6世代フレキシブルOLED量産を開始した。先月に出荷記念行事を大規模に開催し、技術力を誇示した。BOEはイベント当時、iPhoneⅩのノッチカットディスプレイと同様のパネルの試作品を展示した。
ディスプレイ業界の関係者は、「BOEのOLEDが、品質と生産量で韓国企業に及ばないのが事実だが、積極的に投資に訴えている」とし「アップルへの供給に死活をかけている」と伝えた。