BOEが第四フレキシブル有機ELパネル工場への投資を決定...サムスンを抜いて世界1位を狙う


2018.12.28 EL News

 

中国が中小型フレキシブル有機EL(OLED)の投資を加速している。今年、中国の主要なパネルメーカでは中小型OLEDパネルへの投資スケジュールを一部ずらし、韓国と同様に中国も投資が萎縮するという予想が出ていた。中小型OLED投資に慎重な韓国パネルメーカーに対して、中国は事業推進に速度を出して韓国を追撃する形勢だ。

 

最近の中国現地メディアによると、最大のディスプレイメーカーBOEが第四のフレキシブルOLED工場のB15を、福州に投資することに決めた。BOEは福州市政府と協定を結んで合計465億元(約7兆5700億ウォン)を投入して、月に4万8000枚の生産能力の規模の工場を建設することにした。

 

BOEは今月初めに第三のフレキシブルOLED工場のB12起工式を開催した。1月も経たないうちに第四工場への投資を確定した。当初B15工場は建設される位置が確定していなかった。

 

今回の投資を決定することにより、BOEは、サムスンディスプレイを抜いて世界最大の6世代フレキシブルOLEDの生産能力を備える見込みだ。現在、サムスンディスプレイが保有している生産能力はA3とA4を合わせ月16万5000枚である。BOEは、既存の3つのラインに、今回の投資を確定したB15まで合わせれば、2023年までに合計月19万2000枚の生産能力を保有することになる。 

 

BOEは、最初の6世代フレキシブルOLED工場である成都のB7でパネルを量産している。BOEが明らかにしたB7収率は70%である。韓国の業界と収率を算定する基準が異なり、韓国基準を適用すると、これよりはるかに低い10%水準にとどまるというのが大半の意見だ。 

 

一方、BOEは、フレキシブルOLED量産に相当の自信を見せている。B7収率が安定したと判断して、後続の投資に速度を出しているからである。現在はB11工場へは、製造装置を搬入しており、来年上半期中に稼働を開始する予定である。今月初めの投資を確定した重慶B12は2020年末から2021年初めに稼働することを目指し建設を準備している。

 

 Visionoxも投資を加速している。昨年10月に発表した第二、第6世代フレキシブルOLED工場「V3」起工式を27日に開催した。V3は合肥地方政府とで合計440億元(約7兆1700億ウォン)を投入する新工場である。月3万枚の生産能力の規模で作られる予定だ。 10月に投資を発表した後、国内のディスプレイ装置業界は、Visionoxが、実際の投資に出るのかどうかに注目を集めていた。中国のパネルメーカの投資を発表した後、具体的な投資計画を策定していないか、または予想よりも日程が遅れる場合が多数発生したためである。 Visionoxが、実際の工場の建設を開始し、来年に製造装置発注も開始する見込みだ。これまで業界で提起された第三のフレキシブルOLED工場のV4の投資の可能性も出てきた。具体投資地域は決定していない。 

 

中国がフレキシブルOLED生産能力を拡大速度を出すと比較して、サムスンディスプレイとLGディスプレーは中小型OLED追加投資に慎重である。両社最大顧客であるアップルの事業戦略に基づいて事業環境が大きく変わる可能性がある。

 

サムスンディスプレイはA3に10兆ウォン以上の大規模な投資をしたが、パネルの需要が予想より減少し、今年稼働率の低下などの困難を経験した。 中国は市場をリードするの韓国パネルメーカの投資の停滞の間に、ギャップを縮める戦略を繰り広げるものと見られる。特に現地1位企業のBOEは、生産能力の面で、サムスンディスプレイを追撃している。実際フレキシブルOLEDの生産量は大きく及ばないものの、生産能力を事前に備えて歩留まりと生産量を高めながら、市場シェアを拡大する戦略とみられる。 

 

サムスンディスプレイが独占したフレキシブルOLED市場構図を破って、アップル、サムスン電子などのグローバルメーカーを顧客に確保するという目標も立てた。中国のメーカーだけでなく、海外有数の企業まで顧客に確保して自給率を高め、ディスプレイ産業を完成するのが中国政府・企業の大規模なシナリオである。 BOEを顧客に持つ、韓国某企業の関係者は、「部品の製造規模でみると、まだB7の生産量では意味がないと思われる」とし「しかし、技術開発と投資率を勘案すると、今後1〜2年以内に韓国企業と同様の水準で成長することができると思う」と語った。