BOEが第6世代基板でフレキシブル有機ELパネルの生産を開始


2017.05.14 朝鮮Biz

 

月に4.8万枚の生産能力の成都工場の稼動、来年は綿羊工場も第6世代基板でのOLED生産

中国政府資金で天馬∙CSOTも次々と量産準備...サムスンに向けた追撃加速

 

中国最大のLCDパネルメーカーのBOE(京東方)がスマートフォンなどに使われる第6世代フレキシブル有機EL(OLED)パネルの生産を開始した。まだ本格的な量産ではないが、中国メディアは「当初のスケジュールを早めた」とし「韓国の独占崩し」(環球網)、中国産のスマートフォンはもはやサムスンに依存しなくてもいいとの期待を隠せずにいる。サムスンは世界のスマートフォン用OLEDパネル市場の90%以上を占めている。

 

BOEは12日、中国で最初の6世代ラインでのフレキシブルOLEDパネルを成都の工場が正式に生産を開始したと発表した。曲がる特性を持つフレキシブルOLEDパネルは、今年第3四半期でのOLEDパネル市場の半分以上を占めると予想されるなど、需要が急増している。

 

2013年の5.5世代OLEDパネルの生産に入ったBOEは、2015年5月、成都に465億元を投入して月に4万8000万枚の生産能力の6世代工場を建設事業に着手して、今回の稼働になった。BOEは2016年12月四川省省綿羊(綿陽)も465億元を投入して、同じ生産能力を備えた第6世代フレキシブルOLED工場の建設に入るなど、積極的な投資を行ってきている。綿羊工場が量産を開始する2019年にはBOEは、月に9万6,000枚の6世代OLEDパネルを生産できるようになる。 

 

天馬微電子は武漢(武漢)で6世代フレキシブルOLEDパネル工場を建設中で、4月のテストのための最初のパネルの生産に成功した。今年9月に竣工される予定のこの工場の生産能力は月3万枚に120億元が投入された。天馬の場合、2010年に中国では、最初に第4.5世代OLEDパネルの投資を開始するなど、この分野でのリーダーに選ばれた。

 

CSTOは武漢で月4万5,000枚の生産能力の第6世代フレキシブルOLED工場を建設することに武漢市と最近合意した。6月末までに着工する工場の建設のために350億元を投入することにした。

 

中国のスマートフォンメーカーはもちろん、アップルも今秋発売されるiPhoneの8にOLEDパネルを採用することにしたので、市場の見通しも明るい。UBIリサーチによると、2021年OLEDパネルのグローバル出荷量は17億枚に2016年3億枚以上4.67倍に増加すると予想された。金額ベースでも2021年の750億ドルに達し、2016年の150億ドルから4倍に増えると予想された。

 

フレキシブルOLED市場も2016年35億ドルから2018年に145億ドルに急成長するとIHSが予想した。これにより、先行メーカーのサムスンとLGディスプレーも投資拡大を急いでいる。 

 

しかし、中国企業は、政府の資金支援と巨大な内需市場を武器に、LCDパネルの後発でもトップに上がった成功ストーリーを、OLEDパネルでも再演するという意志を見せている。

 

BOEは今年第1四半期、LGディスプレーを抜いて大型ディスプレイの世界メーカーの1位に上がった。BOEは、中国で「補助金王」と呼ばれるほど、政府の強固な後援を受けてきた。BOEは昨年1〜9月に政府から受けた補助金が17億9,200万元で、中国の上場企業1位を記録した。

 

BOEはOLEDパネルでも増資と現地地方政府からの資金援助により、莫大な資金を確保してきた。綿羊の6世代フレキシブルOLEDパネル工場の建設に投入される465億元のうち、200億元を綿羊市が調達することにした。 

 

中国のCTOが350億元を投じて建設している6世代フレキシブルOLED工場の場合も、財源のうち所在地となる武漢の管理委員会が指定する投資主体が100億元になる。管理委員会は、銀行の資金支援調整も乗り出すことにした。

 

特にOLEDパネルの需要急増に供給が追いつか行きにくい状況で、主要な顧客である中国のスマートフォンメーカーのOLEDパネルを採用が増え、中国のパネルメーカーの展望を明るくしている。CINNOリサーチによると、中国では、昨年売れたOLEDスマートフォンのうち、Oppoとvivoの2社製品の割合が65.3%に達した。

 

安定した部品需給のために、マルチベンダの戦略を使うアップルがiPhone8のOLEDパネルサプライヤーとして、中国企業を選択する可能性も排除できない。