BOE、55インチのインクジェット印刷のRGB方式のOLEDパネル生産に挑戦


2017.06.04 ET News

 

中国のBOEが赤・緑・青(RGB)の3原色のピクセルを実装した55インチの有機EL(OLED)TVパネルの生産に挑戦する。このため、インクジェット印刷のパイロット設備を導入する。まだ研究開発とパイロット生産のためのレベルだが、韓国よりも先にRGB方式の大型OLEDを生産することができる。インクジェットプリンティングプロセス技術も導入も韓国より進んでいるものと注目される。

 

4日、業界によると、BOEは先月にインクジェット印刷装置1台を発注した。安徽省合肥市に合計10億元(1680億ウォン)を投資して作った印刷OLED技術プラットフォームのラインに設置する予定である。このラインは2月BOEが6億元(1010億ウォン)、合肥市が4億元(670億ウォン)を投資した新規設備だ。 

 

BOEは、大型OLED TVパネル技術を確保するために、このプラットフォームを構築した。インクジェット印刷技術を研究・開発して、パイロットラインでの試験生産まで行う計画である。BOEは先月に印刷OLED技術プラットフォームプロジェクトのためにインクジェット印刷装置を発注し、米国カティーバを最終落札者に選定した。 特異なのはカティーバが納品する機器の技術方式である。8世代規格(2200㎜×2500㎜)マザーガラスを6枚に分割する方式ではなく、55インチサイズ(1218.2㎜×684.5㎜)1枚生産で、追加で分割が必要な機器を準備したことが分かった。 

 

マザーガラスサイズが55インチ1枚に過ぎないと、大規模マザーガラスを制御する問題から逃れることができる。自然収率も高くなる。55インチ1枚を生産し、分割作業なしですぐ55インチOLED TV用に供給できるようになる。 カティバーはOLED TVパネルにインクジェット印刷工程に導入速度を高めるために、この装置を準備したとみられる。機器のサイズが8世代よりもはるかに小さく、歩留まりも向上させることができ、初期のインクジェットプリンティング技術検証、信頼性、歩留まりの確保を目的で、パネルメーカーにメリットを提供することができるものと思われる。 

 

LGディスプレーもインクジェットプリンタを導入したOLED TVのパネルのパイロットラインを設けて試験生産を準備している。東京エレクトロンデバイスを使用する。サムスンディスプレイは、大型OLED TVパネル事業を停止し、中小型OLEDに集中している。 

 

BOEは、世界で唯一のホワイトOLED TVパネルを量産するLGディスプレイを追いつこうと力を入れている。既存の8世代規格基準ではなく、55インチ1枚を刷るインクジェットプリンティング技術という点で、今後のパイロット生産成績に関心が集中している。 パイロット生産の結果が良ければ、正式生産につながる可能性もある。BOEは合肥に設けたOLED技術プラットフォームがパイロット生産まで行うことができるラインをそろえたためである。独自に開発したOLED TVパネルを生産し、少量販売を開始する可能性を排除することはできない。 

 

BOEはSID 2017で世界初の能動型量子ドット発光ダイオード(AM QLED)パネルの試作品を公開した。5インチと14インチの規格を展示した。量子ドット(QD)の材料をRGBインクジェットプリンティング方式で印刷した。