2017.05.07 ET News
韓国の有機ELディスプレイ製造装置の企業であるAPシステムが、インクジェット印刷の製造装置企業のユニジェットに投資した。フレキシブル有機EL(OLED)工程に使用する薄膜封止(TFE)製造装置市場に参入する計画である。TFE量産装置の市場を独占している米国のカティーバに挑む。
7日、APシステムとユニジェットによると、最近にAPシステムは、ユニジェットが発行する40億ウォン規模の転換社債(CB)を買収することに合意した。まず、30億ウォン規模転換社債を買収し、残りの10億ウォンは、共同開発事業が完了した後に支払う。
両社は、蒸着技術とインクジェット印刷技術を合わせて量産性を引き上げたTFE装置の開発に協力するために、今回の投資協力を決めた。 ユニジェットは、2002年に設立された産業用インクジェット印刷技術の専門企業である 2012年にドイツ・フィリップスにOLED照明用のTFE量産装置を供給した。現在は第6世代ディスプレイ用TFE装置を開発している。
APシステムは、長期間ディスプレイ蒸着技術を研究開発した。PECVD(プラズマ化学気相蒸着装置)より薄膜を均一に整え、不純物を最小限に抑えることができるALD(原子層堆積)装置、EMIシールド素材を蒸着する装置など、様々な分野の真空蒸着技術力を開発した。
フレキシブルOLED工程で有機物材料を水分と空気から保護するために、有機膜と無機膜(CVD)を順次成膜する工程を経る。
このとき無機膜の組成の条件に応じて、有機膜の性質も変えるなど、各膜質組成が重要である。しかし、異なる機器メーカーが機器を納品してみると、全体薄膜を最適な状態するために、パネルメーカーに負担がかかる問題が発生した。
両社は、この点に着目した。TFE製造機器と蒸着装置を一緒に開発したトータルシステムを構成する各薄膜を有機的に連携して開発することが、最適の膜質を実装することができると見た。APシステムが長い間蒸着技術を研究してきたし、ユニジェットはインクジェット印刷技術を研究開発して、量産装置まで納品した経験があるだけに相乗効果をもたらすことができると判断した。
今回の投資を皮切りに、両社はTFEトータルシステムを開発するために共同研究開発に乗り出す。APシステムが大規模装置を量産することができるインフラストラクチャと海外営業網を備えているので、ユニジェットは、今後の研究開発機器はもちろん、量産装置を製作・販売することができるサポートシステムを確保することになった。 両社の優先目標は、米国のカティーバが掌握したTFE製造装置を国産化するものである。現在、サムスンディスプレイはカティーバの装置を、LGディスプレイはLG PRI装置を使用している。蒸着装置は、米国アプライドマテリアルズが両社に大部分を供給する。TFE・蒸着トータルシステムで、有力な海外の競合他社を抜いて国韓国産の装備の割合を高めるという青写真を描いた。
中国進出も狙う。ほとんどの中国のパネルメーカーがフレキシブルOLED量産技術の確保に困難を経験するように競争力のある代案を提示することができるものと見た。
APシステムの関係者は、「ユニジェットは、従来のように独立した経営を維持しながら、TFE・蒸着トータルシステムを一緒に研究開発することになる」とし「APシステムの技術 インフラ、ユニジェットの技術力を合わせて新しい市場に参入するために努力する」と説明した。