2018年のスマートフォン向けパネル市場、LTPS LCDでは中国メーカのシェアが上がり、有機ELの出荷が下がる


2019.02.08 ET News

 

2018年のスマートフォンパネル市場で、低温多結晶シリコン液晶(LTPS LCD)とリジッド有機EL(OLED)の間の熾烈な価格競争が繰り広げられたが、韓国と中国のパネルメーカ間で対照的な結果になった。中国のスマートフォン市場を中心に、現地のパネルメーカは低価格を前面に出してLTPS LCDのシェアを高める一方、リジッドOLEDを供給している韓国のパネルメーカでは出荷量が減り、価格が下落して困難な局面を経験したことが分かった。 

 

10日、業界によると、昨年のスマートフォン用LTPS LCD市場では、中国メーカはシェアを高めた一方、リジッドOLEDを供給しているサムスンディスプレイは、リジッドOLEDの供給量が減り、価格が下落し、2017年比でOLED部門の営業利益が約30%減少した。リジッドOLED稼働率は第4四半期に40%台で、最も低い数値を記録した2018年1月の水準まで低下した。 一方、スマートフォン用LTPS LCDは、中国のスマートフォンメーカーを中心に採用が活発で、昨年より出荷量が増加した。市場調査会社IHS Markitの分析によると、昨年のスマートフォン用LTPS LCDの出荷台数は、前年比12%増の6億8900万台規模を形成した。 

 

従来のスマートフォン用LTPS LCD市場での強力メーカであったジャパンディスプレイとLGディスプレーは、中国メーカとのシェア競争で押された。中国メーカが2017年と2018年にかけて第6世代LTPS LCD工場を増設して供給量が増加し、価格が下落すると、中国のパネルメーカ向けを中心にシェアを伸ばした。スマートフォンでOLEDとLTPS LCDの間のデザイン上の差別化が大きくないので、中国を中心にLTPS LCDを採用が増えたことも、中国のパネルメーカの優勢要因として挙げられる。 昨年スマートフォン用LTPS LCD市場では、ジャパンディスプレイを抜いて、中国の天馬が22%のシェアで1位に上がった。スマートフォンLTPS LCD市場では、中国メーカが初めて年間1位を占めた。天馬は前年比5%ポイント増加した。ジャパンディスプレイは、前年より8%ポイント減の18%で2位にとどまった。中国のBOEは11%のシェアで3位を占めた。 

 

 

 

2018年スマートフォン用LTPS LCD供給会社別シェア(資料:IHS Markit)

 

リジッドOLEDを供給するサムスンディスプレイの状況も明るくない。LTPS LCDに対して、昨年全体での価格競争が激しく、営業利益が減ったからである。業界では、昨年第4四半期、サムスンディスプレイのリジッドOLED出荷量が減少したと推定した。リジッドOLEDを製造するA2稼働率が最低水準になり、低い稼働率を記録した昨年第1四半期と同様の水準まで減ったからである。

 

モバイルディスプレイ工場稼働率(番号:DSCC)

 

市場調査会社DSCCは、サムスンディスプレイのリジッドOLEDファブの稼働率が、昨年第4四半期には50%前後のレベルに落ちたと分析した。昨年1月に40%台で、7月と8月に80%の水準まで回復したが、その後に稼働率が下落し、12月には、1月に水準の40%台まで低下したと見た。

 

同じ期間のLTPS LCD工場の稼働率は、高かった。昨年1月から12月まで60〜80%水準を維持した。