2017年、注目されている自動運転車と車載向け有機ELディスプレイ


2017年 2月 3日 UBIリサーチ

情報通信技術振興センターは、2008年から毎年に次年度ICT(Information&Communication Technology)の10大課題を選定して発表しているが、2017年にはICTの10大課題のうち、1位として、自動運転車とコネクテッドカーなどの、課題を選定した。

自動運転車とは、自ら周囲の環境を認識し、状況を判断して、計画した経路に沿って走行可能な自動車を意味するし、コネクテッド・カーとは、自動車とIT技術を融合し、ネットワークに常時連結された車であり、AppleのCarPlayとGoogleのAndroidAutoが代表的である。

現在、開発されている自動運転車では、運転手と車がやりとりする情報の多様性と複雑性が増大され、必要な情報をタイムリーに提供することができるディスプレイの重要性が浮き彫りにされている。そして、部分自動運転ではなく、完全自動運転時代には、内部空間活用度が高くなり、運転者の様々な2次活動を支えることができるディスプレイの活用度が増大されることと期待を集めている。

また、スマート機器とネットワークの発展に伴って、今後のコネクテッドカーは、内部のCID(Center Information Display)のようなディスプレイを通して、メディアコンテンツのストリーミングと様々なアプリケーションなどを活用して、無線通信サービスと情報を提供するディスプレイを通して、運転者 – 自動車 – 家を連結するコネクテッドデバイスになるだろうと予測されている。

ここに、LG Displayをはじめとして、多数のパネルメーカーたちが自動車用ディスプレイを開発しているし、完成車メーカーでも、他のメーカとの差別性及び商品性を浮き彫りにするために、多数のディスプレイを適用している。特に、クラスター(cluster)とCIDなど、曲面が多くて、フラットディスプレイ(flat display)が広い面積で適用されにくい領域についてフレキシブルディスプレイ(flexible display)が積極的に検討されている。これによって、デザインの活用度の優れたOLEDディスプレイが注目されている。

AMOLED パネルは、速い応答速度と広視野角、高い色再現性と明暗比を基に、視認性が高いという長所があるし、フレキシブル設計が容易で位置に関係なく、適用可能であるという利点を持つ事で、完成車メーカーから、多くの関心を集めている。ただし、現在、長い寿命確保に対する問題が残っていて、有機ELパネルメーカーは十分ではない寿命を含めて使用温度、明るさなどの性能向上のための開発を進めている。


<自動車向けdisplay市場ディスプレイ別占有率の展望2017~2022>

一方、UBIリサーチで発刊した「Automotive Display Report – application&market trend analysis and the market forecast」によると、有機ELパネルは、2018年から自動車のクラスター(cluster)やCIDに本格的に適用できるだろうと予想したし、自動車用ディスプレイ市場は、年平均で約17%成長し、2022年までに約US$25,000 millionの規模になると見通した。このうち、AMOLEDパネル市場は約20%を占めるだろうと展望した。