米関税の影響を受けるサムスン電子のスマートフォンが3000万台


2025年4月17日 The Elec

 

2025年4月17日、韓国の報道によると、米国の関税政策がサムスンのスマートフォン事業に与える影響に注目が集まっています。米国政府は13日(韓国時間)に、スマートフォンやコンピュータなどを相互関税の対象品目から除外する方針を発表しました。これに先立ち、9日に発効された国別の相互関税措置に対し、米国政府は10日、基本関税10%を維持しつつ、相互関税については90日間の猶予を設けると発表していました。しかし、13日の発表にもかかわらず、今後他の形態の関税が適用される可能性も指摘されており、依然として不確実性は残っています。

 

特に注目されるのは、米国がベトナムからの輸入品に対して設定していた46%という高い関税率です。サムスン電子は昨年、合計で2億3000万台のスマートフォンを出荷しましたが、そのうち約3000万台が北米市場向けでした。これは全体の約13%に相当しますが、この中にはフラッグシップモデルである「Galaxy S」シリーズやフォルダブルフォンなどの高価格帯製品が多く含まれています。したがって、数量ベースでの13%以上に、売上や営業利益面での影響が大きくなると予想されています。

 

また、北米市場向けに出荷される約3000万台のうち、かなりの部分がベトナムのサムスン工場で製造されていることも明らかになっています。サムスンは生産拠点の一部をインドや韓国・亀尾(クミ)工場などに移すことも可能ですが、その対応には限界があります。昨年の同社のスマートフォン総生産量約1億9000万台のうち、50%に相当する約1億台がベトナム工場で生産されており、インドでは約30%、残りが韓国などで生産されています。

 

さらに、部品調達に伴う物流コストの増加も問題となります。サムスンのスマートフォンに使用されるOLEDディスプレイモジュールやカメラモジュールも多くがベトナムで生産されているため、生産拠点を変更すれば、それに伴う物流コストの増加は避けられません。加えて、米国政府はインドからの輸入品に26%、韓国からの輸入品に25%の関税を課しており、どの生産拠点を使うにしてもコスト上昇のリスクがつきまといます。

 

このように、サムスンにとっては生産体制の柔軟性や物流面の課題、そして高い関税率という三重の課題に直面しており、今後の対応が注目されています。