今年のOLEDモニターの出荷台数は144万台に、前年比181%の急増


2024-10-15 The Elec

 

市場調査会社トレンドフォースは17日(現地時間)、今年のモニター向け有機EL(OLED)パネルの出荷台数が前年比181%増の144万台に達するとの予測を発表しました。

 

今年のモニターOLED出荷台数予測(144万台)のうち、サムスンディスプレイの量子ドット(QD)-OLEDの占める割合は73%(約105万台)です。昨年の全モニターOLED出荷台数(約51万台)の中でQD-OLEDの割合は53.5%(約27万台)でした。今年のモニター向けQD-OLED出荷台数予測105万台は、昨年の出荷台数27万台を約80万台上回ります。

 

トレンドフォースは、サムスンディスプレイが積極的に生産量を拡大し、様々なメーカーがQD-OLEDを採用したことが影響していると分析しています。サムスンディスプレイのモニター向けQD-OLEDラインナップは、27インチ、31.5インチ、34インチ、49インチの4種類です。

 

サムスンディスプレイは2024年のモニター向けQD-OLED新製品、UHD解像度31.5インチモデル(左)と360Hzリフレッシュレートを備えたQHD解像度27インチモデル(右)を12月に公開した(資料:サムスンディスプレイ)
サムスンディスプレイは2024年のモニター向けQD-OLED新製品、UHD解像度31.5インチモデル(左)と360Hzリフレッシュレートを備えたQHD解像度27インチモデル(右)を12月に公開した(資料:サムスンディスプレイ)

 

今年のモニターOLED出荷台数におけるLGディスプレイのホワイト(W)-OLEDの割合は26%(約37万台)に減少する見込みです。LGディスプレイのモニターW-OLEDラインナップは、27インチ、31.5インチ、34インチ、39インチ、45インチの5種類です。42インチのW-OLEDもモニターに使用可能ですが、主にテレビに使われています。

 

今年のモニターOLED出荷台数予測では、RGB(赤・緑・青)OLEDの割合はわずか1%(約1万台)にとどまります。RGB OLEDは、カラーフィルターや色変換層を使用せず、光と色を直接再現します。サムスンディスプレイのQD-OLEDは青色の発光源をQD色変換層を通して色を実現し、LGディスプレイのW-OLEDは白色の発光源をカラーフィルターを通して色を表現します。

 

ディスプレイ業界では、韓国のパネルメーカーが大型OLEDモニターラインナップの拡大に焦点を当てるとの見方が出ています。中国メーカーが超大型液晶テレビ(LCD)を低価格で攻勢をかけているため、OLEDテレビが価格で対抗するのは難しいからです。OLEDはリフレッシュレートや色再現性の点でLCDより優れています。また、モニター用OLEDの収益性はテレビ用OLEDより高いです。

 

セットメーカー別では、サムスン電子が49インチOLEDモニターの販売好調と新製品の継続的な発売により、今年の市場占有率が31%(1位)に増加すると予想されています。LG電子は製品寿命の向上により、19%(2位)を占めると期待されています。

 

Asus(14%、3位)は今年、OLEDモニターの出荷台数を大幅に増やし、今後デル(14%、3位)と3位の座を競うとトレンドフォースは予測しています。Asusはハイエンドモデルに注力しています。次いでMSIは11%で5位、Gigabyteは3%で6位と予測されています。

 

2024年のOLEDモニター市場シェア(データ=TrendForce)
2024年のOLEDモニター市場シェア(データ=TrendForce)