2025年02月19日 EET China
ハイセンスは、100インチRGB-Mini LEDテレビを国内市場で発表しました。これにより、同社が独自に開発したRGB三次元カラーコントロール液晶ディスプレイ技術が正式に国内市場に登場したことを意味します。
従来のMini LEDが単色のバックライトによる分割調光を採用しているのに対し、ハイセンスのRGB-Mini LED製品は、赤・緑・青の3色の光源を独立して調光・調色することが可能です。これにより、従来の白黒バックライトからRGBの多基色バックライトへ、さらに単一の調光から光と色を同時にコントロールする技術へと進化を遂げています。
同技術により、テレビの色域カバー率を97% BT.2020にまで引き上げることができ、色の純度、色域の広さ、色彩ボリューム、色彩制御精度といった主要な画質指標が向上します。また、新世代の「信芯AI画質チップ」との組み合わせにより、この製品は暗いシーンのディテールや映像の滑らかさを高いレベルで再現し、自然な光と影の階調や細部を正確に描写することが可能です。
■ RGB三次元カラーコントロール技術が市場へ本格展開
RGB-LED方式は、RGBの3色チップを直接統合したLEDモジュールを採用し、RGB三原色を完全に表現できる表示効果を実現します。注目すべき点として、TCLやソニーもこの技術に注力していましたが、以前は安定性やクロストーク(信号干渉)の問題を克服する必要があり、コストが高かったため、技術の市場展開には複数の工程が必要でした。しかし、2025年に入り、RGB三次元カラーコントロール液晶ディスプレイ技術がようやく市場進出を果たしました。
ハイセンス以外にも、2025年にはサムスンやTCLがRGB-LED方式の製品を発表すると報じられています。
・サムスン: CES 2025でRGB Micro LEDテレビ(バックライト)のプロトタイプを展示しました。この製品は微細なRGB三色LEDバックライト技術を採用しています。また、75インチ、85インチ、98インチのRGB Micro LEDテレビを今年中に発売予定です。
・TCL: 業界関係者によると、TCLが間もなく量産予定のフラッグシップXシリーズには、独自の「万象分区技術」とRGB-Mini LED技術が採用される見込みです。
2025年には、多くのディスプレイメーカーが光源技術に注目し、Mini LEDバックライト技術の性能を向上させる計画を立てています。Mini LEDバックライト製品が進化することで、テレビの画質もさらに向上し、ユーザー体験が一段と進化する見込みです。
■ Mini LEDの成長と新たな可能性
2023年から2024年にかけて、Mini LEDテレビの出荷量は急速に増加し、技術の進化も早いペースで進みました。従来の青色LEDや白色LEDに加え、RGB-LEDが新たに採用されたことで、Mini LEDテレビの構造がさらに簡素化され、コントラスト、低消費電力、大画面対応などのメリットが強化されました。また、厚みの最適化が進み、Mini LEDテレビの一般消費者市場への進出がさらに加速すると期待されています。ただし、この技術の普及と成功には、今後の市場での検証が必要となるでしょう。