ディスプレイ世界市場の変化:2028年までにAMOLED技術が約半分を占める見通し


2024年12月20日 Display Daily

 

AMOLEDパネル技術は、2028年までにディスプレイ市場全体の販売の43%を占める見通しであると、Omdiaの最新予測が示しています。これは2022年の市場シェア34%から大幅な増加を示しており、ディスプレイ技術の採用において変革的な時期を迎えていることを意味します。

 

AMOLEDの台頭は従来のTFT LCD技術に影響を与えており、TFT LCDの市場支配率は2022年の65%から2028年には55%に低下すると予測されています。この変化は、AMOLEDが持つ優れた画質、エネルギー効率、柔軟なデザイン能力といった特徴によるものとされています。

 

市場の進化を加速させる要因は複数あります。サムスンディスプレイとLGディスプレイはAMOLED技術への多額の研究開発投資を通じて市場での地位を強化しています。また、中国のメーカーは第8.6世代OLED工場への投資で韓国企業を上回り、特にIT用途に注力しています。

 

LCD TVセクターはOLEDとの競争に対応するため、超大型ディスプレイ(80インチ以上)に注力しています。一方、AMOLEDパネル価格の低下により、この技術がミドルレンジや低価格市場でも普及しつつあります。

 

将来を見据えると、MicroLED、LEDoS、OLEDoSといった新興技術が2031年までにディスプレイ市場全体の約5%を占めると予測されています。これらの技術は特定の用途で期待されており、MicroLEDは大型ディスプレイや高解像度テレビ向け、LEDoSとOLEDoSはスマートウォッチやAR/VR機器といった小型デバイス向けに位置づけられています。

 

AMOLEDの重要性が増す一方で、TFT LCD技術も引き続き大きな市場シェアを維持する見込みです。特に、低コストの生産が競争力を発揮するミドルレンジや低価格帯のセグメントでその存在感が残りそうです。