サムスンディスプレイ、マイクロソフトとOLEDoS開発及び供給契約を締結


2024.08.07 The Elec

 

サムスンディスプレイが、マイクロソフト(MS)の次世代混合現実(MR)デバイスに使用されるマイクロ有機EL(OLED)ディスプレイパネルを供給することになりました。ソニーがこの市場を早くから開拓している中、サムスンディスプレイはその後を追う形です。

 

7日、業界によると、サムスンディスプレイは最近、MSとマイクロOLED、いわゆるOLEDoS(OLED on Silicon)の開発および供給契約を結びました。具体的な数量は明らかにされていませんが、数十万台規模であるとこの案件に詳しい関係者は推定しています。MSはサムスンディスプレイからこれらの部品を受け取り、次世代MRデバイスを発表する予定です。

 

業界のある関係者は「MSはメタバースよりもゲームや映画などのコンテンツを楽しむための新しいデバイスを作っていると聞いています。OLEDoSパネルの仕様を定め、開発・量産して供給するにしても、MSがそれを搭載したデバイスを公開するのは早くても再来年になるでしょう」と説明しました。

 

サムスンディスプレイは昨年末、OLEDoS開発のために「Mプロジェクト」組織を新設しました。「M」はマイクロを意味します。チェ・ジェボム副社長がサムスンディスプレイ内でマイクロディスプレイの開発と事業化を統括します。サムスンディスプレイはOLEDoS開発生産のために、サムスン電子デバイスソリューション(DS)部門システムLSI事業部と協力します。

 

協力のプロセスはやや複雑です。

 

システムLSI事業部がOLEDoS用シリコン基板のデザインを設計し、ウェーハの生産はファウンドリー事業部が担当します。基板が完成すると、サムスンディスプレイはそのウェーハを受け取り、天安A1工場でホワイトOLED有機材料の蒸着および封止工程プロセスを行います。プロセスを終えたウェーハは再びシステムLSI事業部が持ち帰り、カラーフィルターとマイクロレンズアレイ(MLA)を実装する工程を行います。こうして作業したウェーハは再びサムスンディスプレイが持ち帰り、最終封止工程を行ってモジュール化して供給するという流れです。

 

サムスンディスプレイは、OLEDoSの供給が増えると、カラーフィルターとMLA工程も直接行う追加投資を計画していると伝えられています。

 

ディスプレイ業界のある関係者は「親会社であるサムスン電子のMX事業部が次世代MRデバイスを作るために、サムスンディスプレイからOLEDoSパネルのサンプルを受け取ってテストも行いましたが、最終取引先はソニーに決まりました。サムスンディスプレイがMSとの開発生産取引を成功させれば、内部取引も成立するでしょう」と述べました。