サムスンディスプレイ、2年連続で車載OLED市場1位…ハイエンド市場ではLGディスプレイがトップ


2025年4月3日 The Elec

 

サムスンディスプレイは、車載用有機EL(OLED)の出荷量および売上で2年連続1位を維持した。昨年、サムスンディスプレイの車載OLEDの出荷量と売上は、2位のメーカーを2倍以上上回った。一方、低温多結晶シリコン(LTPS)液晶ディスプレイ(LCD)を含めたハイエンド車載ディスプレイ市場では、LGディスプレイが昨年も1位の座を守った。

 

市場調査会社オムディアによると、2024年の車載OLED出荷量ランキングでは、サムスンディスプレイが164万台で1位を獲得した。サムスンディスプレイは、2023年に車載OLEDを60万台出荷し、初めて1位となった実績がある。

 

昨年の車載OLED出荷量の2位はBOE(62万台)、3位はLGディスプレイ(40万台)だった。

 

売上においても、サムスンディスプレイは4億9200万ドル(約7000億ウォン)で1位を記録した。2位はLGディスプレイ(1億8700万ドル)、3位はBOE(1億7600万ドル)だった。BOEは出荷量ではLGディスプレイを上回ったものの、売上ではLGディスプレイよりも低い結果となった。

 

サムスンディスプレイが2年連続で車載OLED市場の首位を維持できた背景には、製造コスト、完成車の販売量、製品ラインナップなどが影響を与えたと考えられる。

 

サムスンディスプレイの車載OLEDは、ガラス基板上にOLEDを蒸着する「リジッドOLED」方式を採用している。一方、LGディスプレイは、ポリイミド(PI)基板上にOLEDを蒸着する「フレキシブルOLED」技術を使用しており、フレキシブルOLEDの製造コストはリジッドOLEDよりも高い。

 

さらに、LGディスプレイは発光層を2層構造にする「デュアルタンデム方式」を採用している。サムスンディスプレイも一部の車載OLED製品でデュアルタンデム方式を使用しているが、大部分は発光層が1層の「シングルスタック方式」である。デュアルタンデム方式の方が製造コストは高くなる。

 

BMWは3日、イルサンのKINTEXで開催されたソウルモビリティショーにおいて、サムスンディスプレイのOLEDを採用したMINIを展示した。(写真=The Elec)
BMWは3日、イルサンのKINTEXで開催されたソウルモビリティショーにおいて、サムスンディスプレイのOLEDを採用したMINIを展示した。(写真=The Elec)

 

サムスンディスプレイは、BMWだけでなく、中国の自動車メーカーであるリオト(理想汽車)などにも積極的に車載OLEDを供給していることが知られている。中国の自動車市場では、電気自動車(EV)の普及とともに新技術の導入が積極的に進められている。サムスンディスプレイが車載ディスプレイ分野においてOLED製品のみを生産していることも、市場シェアの拡大にプラスに働いていると考えられる。

 

一方、LGディスプレイは車載OLEDだけでなく、LTPS LCD(低温多結晶シリコン液晶)も量産している。LGディスプレイの昨年のLTPS LCDおよびOLED車載ディスプレイの売上合計は15億8400万ドルであり、そのうちOLEDの売上(1億8700万ドル)は12%を占め、残りの88%はLTPS LCDによるものであった。そのため、LGディスプレイにとっては、LTPS LCDの売上比率が高いことから、OLEDとの市場の共食い(カニバリゼーション)を防ぐことも重要な課題となっている。

 

OLEDとLTPS LCDを合わせた「ハイエンド車載ディスプレイ市場」では、LGディスプレイが昨年も圧倒的な1位を維持した。2023年におけるLGディスプレイのハイエンド車載ディスプレイの出荷量は1798万台であり、2位のジャパンディスプレイ(JDI)の1309万台と比較して37%多かった。また、LGディスプレイのハイエンド車載ディスプレイの売上(15億8400万ドル)は、2位のシャープ(8億1100万ドル)の約2倍に達した。

 

BOEの車載OLED出荷量も増加傾向にある。BOEはフレキシブルOLED技術を用いた車載OLEDを製造しており、年ごとの出荷量を見ると、2022年は13万台、2023年は24万台、2024年には62万台と大幅な成長を遂げている。

 

自動車産業において、サムスンディスプレイやLGディスプレイのようなティア2(Tier-2)部品メーカーは、LG電子や現代モービス、ハーマン(Harman)といったティア1(Tier-1)メーカーを通じて車載パネルを供給している。ティア1メーカーは、ディスプレイパネルだけでなく、各種部品を組み合わせた車載システムを完成させ、自動車メーカーに納品する役割を担っている。そのため、車載ディスプレイの出荷量は、最終的には自動車の生産量の影響を受けることになる。

 

メルセデス・ベンツは3日、イルサンのKINTEXで開催されたソウルモビリティショーにおいて、資料映像を通じて「MBUXハイパースクリーン(Mercedes-Benz User Experience Hyperscreen)」を紹介した。このパネルはLGディスプレイが供給した。(写真=The Elec)
メルセデス・ベンツは3日、イルサンのKINTEXで開催されたソウルモビリティショーにおいて、資料映像を通じて「MBUXハイパースクリーン(Mercedes-Benz User Experience Hyperscreen)」を紹介した。このパネルはLGディスプレイが供給した。(写真=The Elec)