アップル、普及型MR機器を1500PPIレベルで開発...ガラス基板ベース


2024年9月10日 The Elec

 

アップルが画素密度1500PPI(Pixels Per Inch)レベルの普及型混合現実(MR)機器を開発する可能性が高くなった。今年初めに発売されたアップルの最初のMR機器「ビジョンプロ」の3391PPIより画素密度が低く、製造原価を下げることができる。ジャパンディスプレイ(JDI)とサムスンディスプレイなどが1500PPI前後のMR機器向け有機EL(OLED)の開発に参加することが予想される。

 

10日、業界によると、最近JDIがアップルにガラス基板基盤の1500PPIレベルのMR機器用OLEDサンプルを送ったことが分かった。JDIが送ったサンプルには、ソニーの技術も使われたという。

 

アップルが上半期にサムスンディスプレイなどに1700PPIレベルのオレドス(OLEDoS:OLED on Silicon)開発資料要求書(RFI:Request For Information)を送ったのと比較すると、JDIがアップルに送った1500PPI OLEDサンプルは画素密度が低い。 また、JDIがアップルに送ったサンプルは、アップルが当初要求したシリコン基板方式のオレドスではなく、ガラス基板ベースのOLED製品だ。現在、ガラス基板にOLEDを蒸着する場合、画素密度は1500PPIが限界と言われている。

 

アップルが昨年6月に公開し、今年初めに発売したVision ProはOledosディスプレイを使用し、画素密度は3391PPIだった。しかし、ビジョンプロは基本型モデルの価格が3500ドル(約470万ウォン)であり、コンテンツも不足して販売が期待を下回っている。アップルがサムスンディスプレイなどに1700PPIレベルのオレドス開発資料要求書を送ったのもこれと無関係ではない。

 

最近、アップルはJDIから1500PPIのOLEDサンプルを受け取った後、ガラス基板基盤のOLEDを適用した普及型MR機器の開発を有力に検討中だという。JDIが最初にアップルにサンプルを送ったが、他のメーカーも関連サンプルを送り、アップルへの納品を狙うものと予想される。

 

サムスンディスプレイはA2ラインで1500PPI水準のガラス基板基盤のOLEDを開発すると予想される。サムスンディスプレイは、MR機器用ガラス基板ベースのOLED開発と関連し、最近、複数の協力会社と話し合ったという。

 

ガラス基板で1500PPIのOLEDを作ることであるため、韓国と日本、台湾メーカーとの競争が予想される。サムスンディスプレイとLGディスプレイはOLED蒸着に強みがあり、高画素実装に必要な薄膜トランジスタ(TFT)技術では台湾メーカーが比較的先行している。現在、ハイエンドスマートフォンOLEDの画素密度は500PPI前後である。すでに発売されたアップルのビジョンプロ用OLEDはソニーが納品した。

 

このため、アップルの普及型MR製品のOLED納品は、どのメーカーが優位に立つか、現在は予想が難しいという評価が多い。製品の量産時期も現時点では2~3年以上かかる可能性がある。

 

アップルはこれに先立ち、今年上半期に韓国内パネルメーカーに1700PPIレベルのOLED開発資料要求書(RFI)を送った。資料要求書は、製品仕様が決定された後、セットメーカーが部品メーカーに送る見積依頼書(RFQ:Request for Quotation)より前の段階でやり取りする文書だ。資料要求書の段階では、製品開発に必要な技術情報などを問い合わせる。当時、アップルが要請した製品の追加仕様は、画面サイズ2.0~2.1インチ、画素密度1700PPIレベルなどだ。既存のVision ProのOledos仕様である画面サイズ1.42インチ、画素密度3391PPIなどと異なる。