VueReal、CES 2025でMicroLEDディスプレイの新たな可能性を開拓


2025年1月10日 Display Daily

 

CES 2025において、VueRealは特許取得済みのMicroSolid Printing技術を活用して、新たな製品市場を切り開く方法を披露しました。MicroLEDは優れた明るさ、透明性、エネルギー効率を提供し、その物理的構造により、これまでOLEDやMiniLEDソリューションでは実現できなかった用途にも対応できます。

 

MicroLEDデザインリファレンスキット

VueRealの中心的な提供内容は、製品設計者がMicroLED技術を革新に取り入れるための即時利用可能なソリューションを提供する「MicroLEDデザインリファレンスキット」です。初期キットは、OLEDパネルと同様に均一なエリア照明を実現する照明パネルを特長としながら、明るさの向上、寿命の延長、コスト削減を実現しました。これらのパネルは、ネイティブRGBカラーや蛍光体コーティングのモノクロフォーマットで提供され、幅広い用途に対応します。

 

ソース: VueReal
ソース: VueReal

 

高透明度MicroLEDディスプレイ

VueRealは、パッシブマトリックスおよびアクティブマトリックス(LTPS)のMicroLEDディスプレイも展示し、3.5インチと10インチサイズで提供されています。これらのディスプレイは最大85%の透明度を達成しており、視界の確保や目立たない設置が重要な場面に最適です。超薄型の形状により、多様な基材へのシームレスな積層が可能で、創造的なデザインの可能性が広がります。

 

AR用マイクロディスプレイ

RIT(ロチェスター工科大学)との共同開発により、VueRealはPMバックプレーン上にモノクロのコスト効率の高いAR向けマイクロディスプレイを開発しました。また、CMOSバックプレーンを用いた別のマイクロディスプレイは、光学技術を組み合わせたフルカラー出力を実現し、より高度なARやウェアラブルソリューションに対応します。

 

太陽光エネルギー収集と統合

VueRealの革新は、MicroLEDディスプレイに太陽光エネルギー収集機能を統合することにも及びます。ポリシリコン製の太陽電池パネルにMicroLEDディスプレイを埋め込むことで、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスを外部充電なしで駆動可能にしました。ピクセル密度が326 PPIのような高解像度でも、ディスプレイは高い透明性を維持し、ディスプレイとエネルギー源の二重機能を提供します。

 

AdaptiveVue技術

VueRealのAdaptiveVue技術は、透明なMicroLEDディスプレイをエレクトロクロミックプラットフォームと組み合わせ、ピクセル単位で透明度を制御可能にします。この技術により、動的なシェーディングや環境に溶け込むディスプレイなど、幅広い用途が可能となります。

 

自動車産業への応用

自動車分野は、VueRealが注力する大きな領域です。同社は、車のフロントガラス、ダッシュボード、ボディに統合可能な透明ディスプレイを展示し、内外装の両方で高性能なソリューションを提供します。デジタルミラーへのMicroLEDオーバーレイの適用や、ロボタクシー用の透明ウィンドウディスプレイなど、多くの可能性が示されました。

 

VueRealの独自性と未来への展望

VueRealは、MicroLED技術を用いてコストやスケーラビリティの課題を解決するだけでなく、その応用範囲を広げる革新的なアイデアを提供しています。サムスンなどの大手ディスプレイ企業は、実験的なデモを実現する余裕がありますが、VueRealはそのプロセスを民主化し、新しい可能性を切り開いています。VueRealのデザインリファレンスキットは、大手ベンダーに頼らずとも新しいMicroLEDの実装を目指す革新者たちに道を開く優れた手段といえるでしょう。