RGBミニLEDテレビの発売、OLEDテレビ事業に悪影響を与える可能性


2025年4月11日 The Elec

 

ハイセンスがRGBミニLEDテレビの事前販売を開始…1980万ウォン

サムスン電子、115インチモデルを発売予定…ソニー、LG電子、TCLも開発中

 

ハイセンスは最近、自国の電子商取引プラットフォーム「ジンドン(京東)」を通じて、116インチのRGBミニLEDテレビの事前販売を開始した。価格は10万元(約1980万ウォン)である。(資料=ハイセンス)

 

バックライトユニット(後面光源)を白色ミニLEDから赤(R)・緑(G)・青(B)のミニLEDに変更した「RGBミニLED」テレビが、有機EL(OLED)テレビの販売に悪影響を及ぼす可能性があるという見通しが示された。RGBミニLEDテレビは、サムスン電子やハイセンスが今年初めのCESで初披露した製品で、パネルには液晶(LCD)技術が使用されている。

 

ハイセンスは最近、自国の電子商取引業者「ジンドン(京東)」を通じて、116インチのRGBミニLEDテレビの事前販売を開始した。価格は10万元(約1980万ウォン)である。

 

市場調査会社オムディアは、ハイセンスが設定した価格(約1980万ウォン)について、「価格プレミアムを排除したレベル」と評価している。一般的に、新製品群は価格にプレミアムを上乗せして販売され、後発メーカーが相対的に安い価格で製品を投入し、市場を拡大する。

 

しかし、ハイセンスの販売価格は既存のプレミアムテレビと競争可能な水準にある。TCLの115インチミニLED(QLED)テレビは、米国のベストバイで2万ドル(約2900万ウォン)で販売中であり、LG電子の97インチOLEDテレビは2万5000ドル(約3600万ウォン)である。

 

オムディアは、「ハイセンスのRGBミニLEDテレビは当面は中国市場のみで販売され、同じ仕様・価格で米国市場に投入されるかは不確実だが、現時点の価格は既存のプレミアムテレビと比較して競争力がある」と述べた。また、ハイセンスに続いてRGBミニLEDテレビ市場に参入するメーカーにとっては、価格設定が難しくなったとも指摘している。

 

サムスン電子の容錫雨(ヨン・ソクウ)社長は、最近のテレビ新製品発表会で「今年中に115インチの『RGBマイクロLEDテレビ』(RGBミニLEDテレビ)を発売する」と述べた。容社長は具体的な時期には言及しなかったが、サムスンは6月に同製品を発売する予定である。ソニーは今年3月にRGBミニLEDテレビの開発を発表しており、LG電子やTCLもRGBミニLEDテレビを開発中である。

 

ソニーは、今年3月にRGBミニLEDテレビを開発したと発表した。(資料=ソニー)
ソニーは、今年3月にRGBミニLEDテレビを開発したと発表した。(資料=ソニー)

 

オムディアは、2026年にRGBミニLEDテレビの出荷量が増加すれば、ハイエンドLCDテレビなどのプレミアムテレビ市場が堅調になると予測した。OLEDテレビもプレミアムテレビ市場における地位をさらに強化する可能性がある。ただし、RGBミニLEDテレビが既存のハイエンドLCDテレビと同程度の価格で販売された場合、LCDテレビとOLEDテレビの価格差が縮まらず、結果としてOLEDテレビにとっては逆にマイナスの影響を及ぼす可能性があると分析している。プレミアムテレビ市場において、ハイエンドLCDテレビの人気が高まる可能性があるためである。

 

またオムディアは、今年からミニLEDテレビ(RGBミニLEDテレビを含む)の出荷台数が、OLEDテレビの出荷台数を大きく上回るだろうと見込んでいる。今年のミニLEDテレビの出荷予測は1,200万台台前半で、OLEDテレビの出荷予測は600万台台半ばである。昨年は、ミニLEDテレビとOLEDテレビの出荷台数がそれぞれ600万台前後でほぼ同程度であった。

 

従来のミニLEDテレビとRGBミニLEDテレビの違いは、バックライトが白色LEDからRGB LEDに変更される点である。白色LEDは、青色LEDに蛍光体を組み合わせて白色を出しているため、複数の波長が混ざっており、色を表現するためにカラーフィルターを通過させる際に色純度が低下する。一方、RGB LEDは各色の純粋な波長を維持しているため、カラーフィルターを通過しても比較的色純度が高く保たれる。また、LEDチップのサイズが小さくなると、光源を局所的に点灯・消灯できるローカルディミングゾーンが増加し、コントラスト比が高くなる。

 

2022~2029年 ミニLEDテレビとOLEDテレビの出荷量予測(資料=オムディア)
2022~2029年 ミニLEDテレビとOLEDテレビの出荷量予測(資料=オムディア)