2025年1月21日 The Elec
LXセミコンは今年、Appleの有機EL(OLED)iPad向けディスプレイドライバーIC(DDI)の供給に参入できるのでしょうか。昨年は、Samsung ElectronicsのシステムLSI部門がOLED iPad用DDIを独占的に供給しました。
1月21日、部品業界の情報によると、LXセミコンは今年Appleが発売を予定しているOLED iPad用DDIを開発中です。しかし、まだAppleから量産承認を得られていません。DDIは、薄膜トランジスタ(TFT)を介してディスプレイの画素を制御するチップです。
Appleは昨年初めて発売したOLED iPadの機能を一部改良したモデル(「マイナー変更」モデル)を今年発売する計画です。製品全体の構成は似ていますが、Appleは今年のモデルに新しい開発コードを付与しています。
LXセミコンが3月前後に量産承認を得られれば、今年OLED iPad向けDDIを供給することが可能となります。OLED iPadの部品は4~5月頃に量産が開始される予定です。
昨年は、Samsung ElectronicsシステムLSI部門がLGディスプレイおよびSamsungディスプレイの両方にiPad用OLED DDIを独占供給しました。LXセミコンが3月までに量産承認を得られない場合、今年もSamsung ElectronicsシステムLSIが全量を供給することになります。
LXセミコンにとってOLED iPad用DDIが重要な理由
OLED iPhone用DDI市場の競争が激化しているため、OLED iPad用DDI市場への参入がLXセミコンにとって重要です。同社は現在、LGディスプレイとBOEの2社にOLED iPhone用DDIを供給しています。一方、SamsungディスプレイにはSamsung ElectronicsシステムLSIがDDIを供給しています。
しかし、LGディスプレイはiPhoneのOLED製造コストを削減するため、昨年のiPhone 16シリーズからは、DDI供給元をLXセミコンだけでなく台湾のNovatekにも拡大しました。それ以前のiPhone 15シリーズまでは、DDIを全量LXセミコンから調達していました。
2024年のLGディスプレイによるiPhone向けOLEDの出荷量は6,000万台台後半と見込まれています。2023年の出荷量(5,180万台)より1,000万台前後増加しましたが、LXセミコンとNovatekがDDIを共同供給しているため、LXセミコンの恩恵は限定的です。
今年のiPhone 17シリーズでも、LXセミコンとNovatekの2社がLGディスプレイにOLED用DDIを供給します。一方、SamsungディスプレイのOLED用DDIは、引き続きSamsung ElectronicsシステムLSIのみが供給します。また、BOEはLXセミコンからOLED用DDIを調達しています。
昨年のiPhone向けOLED市場概況
2024年のiPhone向けOLEDの年間出荷量は、2億3,000万~2億4,000万台と推定されます。そのうち、Samsungディスプレイが1億2,000万~1億3,000万台、LGディスプレイが6,000万台後半、BOEが4,000万台程度を占めています。
LXセミコンの業績
2024年第3四半期累計のLXセミコンの業績は、売上高1兆3,631億ウォン、営業利益1,366億ウォンとなっています。前年同期と比較すると、売上高は2%減少しましたが、営業利益は747億ウォン増加しました。しかし、2022年同期間と比較すると、売上高は1兆6,629億ウォンから1兆3,631億ウォンへ18%減少し、営業利益は2,979億ウォンから1,366億ウォンへと半減以下に減少しています。