LGディスプレイ、ソニー・ホンダモビリティに40インチ ピラー・トゥ・ピラー Mini LEDを供給


2025年2月24日 The Elec

 

LGディスプレイは24日、車載用40インチ ピラー・トゥ・ピラー(P2P:Pillar to Pillar)Mini LED液晶ディスプレイ(LCD)パネルをソニー・ホンダモビリティに供給すると発表した。ソニー・ホンダモビリティは、ソニーとホンダによる合弁企業である。

 

ピラー・トゥ・ピラー(P2P)ディスプレイとは?

ピラー・トゥ・ピラーとは、自動車の運転席側フロントピラー(前方の支柱)の左端から助手席側の右端までつながる超大型ディスプレイのことを指す。

 

LGディスプレイは24日、車載用40インチ ピラー・トゥ・ピラー(P2P:Pillar to Pillar)Mini LED液晶ディスプレイ(LCD)パネルをソニー・ホンダモビリティに供給すると発表した。ソニー・ホンダモビリティは、ソニーとホンダの合弁会社である。(資料:LGディスプレイ)
LGディスプレイは24日、車載用40インチ ピラー・トゥ・ピラー(P2P:Pillar to Pillar)Mini LED液晶ディスプレイ(LCD)パネルをソニー・ホンダモビリティに供給すると発表した。ソニー・ホンダモビリティは、ソニーとホンダの合弁会社である。(資料:LGディスプレイ)

 

40インチP2Pディスプレイの特徴

この40インチのP2Pディスプレイは、大画面を活かしてさまざまな情報を表示しながら、車両の機能を操作できる。

 

主な表示機能:

・計器盤(メーター)

・ナビゲーション(走行情報)

・空調システムの制御

・映画・音楽鑑賞

・ゲームなどのインフォテインメント機能(SDV対応)

 

従来の車載ディスプレイでは、エアコンの操作や音楽鑑賞時にナビゲーション画面が隠れたり、小さくなったりする制約があったが、このP2Pディスプレイは画面の切り替えなしで複数の機能を同時に利用できる。

 

運転者の視界を確保する「SPMモード」を業界初採用

運転に集中できるように、視野角を制御する SPM(Switchable Privacy Mode) を搭載。この技術により、

 

・助手席の同乗者 はディスプレイで映画を見たりゲームをプレイできる

・運転席からはそれらの画面が見えないため、運転の妨げにならない

 

LGディスプレイは、「この技術の商用化は業界初であり、運転席の視野角を制御しつつも、超高画質の映像を実現した」と述べている。

 

LGディスプレイ、40インチ ピラー・トゥ・ピラー Mini LED LCDにLTPS TFT技術を採用

LGディスプレイの40インチ ピラー・トゥ・ピラー(P2P)Mini LED LCDは、低温多結晶シリコン(LTPS)方式の薄膜トランジスタ(TFT)技術を採用している。車載ディスプレイ市場では、LTPS LCDと有機EL(OLED)がハイエンド製品として分類されており、LGディスプレイはこの分野でリードしている。

 

ソニー・ホンダモビリティのEV「アフィーラ」に採用

この40インチP2Pディスプレイは、ソニー・ホンダモビリティの初のセダン「AFEELA(アフィーラ)」に搭載される。アフィーラは、ソニーのIT・エンターテインメント技術とホンダの製造技術を融合した電気自動車(EV)だ。

 

業界初の量産化、SDV機能の活用を最大化

LGディスプレイは、「40インチ ピラー・トゥ・ピラー車載ディスプレイの量産は業界初であり、運転者と同乗者それぞれに最適なインフォテインメント体験を提供し、ソフトウェア定義自動車(SDV)の機能活用を最大化する」と期待を寄せている。

 

Mini LED搭載で高画質・低消費電力を実現

この製品は、バックライトにMini LEDを採用し、ローカルディミング(エリア駆動)に対応している。ローカルディミングとは、

 

・バックライトを複数のエリアに分割し、明るい部分は輝度を上げ、暗い部分はバックライトを消灯または光量を抑える

・これによりコントラスト比を向上させ、消費電力を低減

 

する技術である。LGディスプレイは、「ローカルディミング技術により、発熱を抑えながら消費電力を削減した。また、タッチ操作が可能な超大型スクリーンを採用し、車内の物理ボタンを最小限に抑えた」と述べている。

 

SDV時代に向けた差別化戦略

LGディスプレイのオート事業グループ長であるクォン・グクサン氏は、「業界をリードする独自技術と製品競争力、安定した供給能力を基盤に、SDV時代においても差別化された顧客価値を提供していく」と語った。