2025年2月25日 CINNO Research
LGディスプレイは、アップルの新型iPhoneシリーズ向けOLEDパネルの供給を拡大する予定だ。従来の2機種から今年は3機種に増加する見込みで、これによりアップル関連事業がLGディスプレイの総売上に占める割合も増加すると予想される。なお、2023年時点で、LGディスプレイの売上におけるアップル事業の割合は約40%だった。
ディスプレイ業界の2月24日の情報によると、LGディスプレイは今年に発売予定のiPhone 17シリーズの通常モデル、Pro Maxモデル、そして新たに登場するiPhone 17 Airモデル向けにOLEDパネルを供給するとのこと。今年のiPhone 17シリーズは全4機種が発売予定であり、Proモデルを除くすべての機種にLGディスプレイ製のOLEDパネルが採用される見込みだ。
これまで、アップルのiPhoneシリーズ向けのOLEDパネルは、サムスンディスプレイ、LGディスプレイ、中国メーカーのBOE(京東方)の3社が供給してきた。例えば、昨年下半期に発売されたiPhone 16シリーズでは、通常モデルのOLEDパネルはサムスンディスプレイとBOEが供給し、Plusモデルはサムスンディスプレイが独占供給、ProモデルとPro MaxモデルはサムスンディスプレイとLGディスプレイが供給していた。
今回、アップルは初めてiPhone 17シリーズの全モデルに低温多結晶酸化物(LTPO)OLEDパネルを採用することを決定した。これまで、通常モデルにはコストの低い低温多結晶シリコン(LTPS)OLEDパネルが使用され、ProモデルにはLTPOパネルが採用されていた。
LTPOの利点は、使用環境に応じて画面のリフレッシュレートを下げることで、低消費電力駆動を実現できることだ。報道によると、LTPS技術と比較して、LTPO技術は一般的に15%〜20%の消費電力削減が可能とされている。
LTPOパネルはコストが高く、技術的なハードルも高いため、アップルはこれまでハイエンドのProモデルにのみ採用していたが、今回は全モデルに適用範囲を拡大した。
一方で、BOEは最近、アップルが新たに投入するエントリーモデル「iPhone 16e」の主要供給メーカーに選ばれたとの情報もある。iPhone 16eは、アップルが3年ぶりに発表するエントリーモデルであり、従来のLCDパネルではなく、初めてLTPS OLEDパネルを採用することとなる。