2024年10月21日 Display Daily By Emory Kale
2024年第3四半期、世界のテレビ出荷台数は前年同期比(YoY)で11%増加し、6200万台に達しました。これで2四半期連続のYoY成長となります。Counterpoint Researchによると、この回復は買い替えサイクルの短縮と、高精細で大型スクリーンのモデルへの消費者の関心の高まりが主な要因です。
地域別動向
この回復は世界的に見られましたが、特に東欧が牽引役となり、出荷台数が24%増加しました。北米や西欧でも好調な伸びを記録した一方で、日本は他の地域に比べて出遅れが目立ちました。
メーカー別シェア
Samsung Electronics(サムスン電子)は15%の市場シェアで引き続き世界市場をリードしましたが、前四半期と比較してシェアはわずかに低下しました。一方で、中国のメーカー、特にHisense(ハイセンス)とTCLが急速に台頭しています。ハイセンスは前年同期比19%増の出荷台数を記録し、第2位を奪還しました。TCLは第3位にランクイン。LGは第4位で、欧州での堅調な販売に支えられ、YoYで7%増加し、市場シェアを再び10%台に戻しました。
プレミアムテレビセグメントの急成長
OLED、QD LCD、MiniLED LCDを含むプレミアムテレビ市場は、前年同期比で51%増加し、過去最高を記録しました。特にMiniLED LCDテレビは102%のYoY成長を達成し、初めてOLED出荷台数を上回りました。QD LCDテレビの出荷台数も50%以上増加し、四半期の出荷台数が400万台を突破しました。一方、OLEDテレビは控えめな成長で、YoYで13%増加にとどまりました。
プレミアム市場の競争激化
プレミアムテレビ市場の競争状況は劇的に変化しています。これまでこの分野をリードしてきたサムスンの市場シェアは、過去1年で13ポイント減少し、現在は30%となっています。一方、中国メーカーのハイセンスとTCLは、プレミアムテレビの出荷台数を2倍以上に伸ばし、LGを抜いてそれぞれ第2位と第3位を獲得しました。かつてサムスンとLGが支配していたセグメントでの大きな変化を象徴しています。
今後の見通し
プレミアムテレビ市場では、消費者を惹きつけるため、先進技術や大型スクリーンの採用を進める中で競争が一層激化する見込みです。研究者のLim Soo-jungは、「連続する前年同期比の成長は、消費者の関心を刺激する新しい高精細モデルによって、買い替えサイクルが短縮されていることを示しています」と述べています。