2022年11月21日 UBIリサーチ 週間ディスプレイ業界分析レポート
2021年のスマートフォン(foldable phoneを含む)OLED出荷量は6.44億台だったが、今年の予想出荷量は5.75億台となっており、昨年より7千万台が減少した数値となっている。
昨年のOLEDスマートフォンの出荷量が6.4億台と高かった理由は、2020年から始まった新型コロナの影響によって減少した需要が2021年には再び増加したためである。 2020年のOLED出荷量は4.58億台に留まっていた。
したがって2022年の予想出荷量の減少は、世界中の景気後退による影響よりも2021年の数値が異様に高かった影響が大きいと分析される。
2年後の2024年の予想OLED出荷量は6億台市場に突入し、2027年には7億台市場規模に成長すると見込まれる。
2020年~2022年の基板別OLED出荷量を分析してみると、2020年と2021年のflexible OLEDとrigid OLED出荷量は同様の数値であった。
しかし、2022年にはrigid OLED出荷量が急減し、flexible OLED出荷量が大幅に上昇する。これは、中国のスマートフォンメーカーが中間価格帯のOLEDスマートフォンに使用していたサムスンディスプレイ製rigid OLEDパネルを中国パネルメーカーが生産するflexible OLEDに置き換えているためだ。
2023年からは中国企業が生産するOLEDスマートフォンのほとんどがflexible OLEDに変わる見通しであるため、rigid OLEDの出荷量減少傾向はさらに顕著に現れてくる見込みである。
一方、サムスンディスプレイが主導するfoldable OLED市場は徐々に規模が拡大する見通しだ。2022年の予想出荷量は2千万台程度だが、2023年は3千万台となっており、150%の増加が予想される。 2027年のfoldable OLED出荷量は1億台規模に達する見通しだ。