IT向けのOLEDディスプレイの産業動向


2023/04/17 UBIリサーチ

 

2023 OLED KOREA CONFERENCEでのUBIリサーチの基調講演の概要。

 

2017年にAppleがiPhoneにOLEDを初めて適用した時、AppleのOLED購買量は7,000万台、サムスン電子のスマートフォン用OLED購買量は2億5,000万台だったが、2022年AppleがiPhone用OLEDを2億800万枚購入した反面、サムスン電子の購買量は1億2,000万枚に減少した。 2023年にはAppleのiPhone用OLED購買量は2億4,000万個に達すると予想され、サムスン電子の購買量はAppleの半分である1億2,400万個にとどまる見通しだ。

 

サムスンディスプレイは2020年にiPhoneの供給量1億台を突破した以後、毎年700~1,000万台ずつAppleの物量が増加しており、LGディスプレイとBOEもAppleに対する供給量を増やしている。 今年のiPhone 14とiPhone 15の総物量は2億2700万~2億5600万台の間になると予想され、サムスンディスプレイが1億3,000万~1億5,000万台、LGディスプレイが5,200万~5,600万台、BOEが4,500万~5,000万台を供給すると予想される。

 

Appleは現在、時計とスマートフォンだけにOLEDを使用しているが、今後タブレットPCとノートパソコンにもOLEDを使用する予定であり、モニターにもOLEDを適用する方案が検討されている。

 

Appleは2024年からサムスンディスプレイのiPad用OLEDを購入する見通しであり、2025年末からノート型パソコン用OLEDも購入するものとみられる。 2026年以降行われるフォルダブルノート型パソコンの販売も検討している。

 

サムスンディスプレイはIT用2stack RGB OLEDを8.6G垂直蒸着装置として開発してきたが、水平蒸着装置に決定した。 予想投資規模は15K/Mで、適用製品はタブレットPCとノート型パソコンだ。

 

サムスンディスプレーはすでにAppleをIT向け顧客として確保しており、サムスン電子もサムスンディスプレーからIT向けOLEDを購入しているため、サムスンディスプレーはすでに2社の顧客を確保している。 LGディスプレイとBOEが事業の困難に直面しており、サムスンディスプレイが追加投資を進める場合、IT市場で優位な立場になる。