2025年4月25日 Display Daily
Visionoxは、最先端のイノベーションセンターを中国・崑山市に設立するという野心的な計画を発表し、次世代ディスプレイ技術における中国の主導権確立に向けた大きな一歩を踏み出した。
同社は昨日、崑山経済技術開発区管理委員会との協議を経て、約50億元(7億7500万ドル)を投じ、「崑山グローバル新型ディスプレイ産業イノベーションセンター」を設立すると発表した。
業界アナリストたちは、ディスプレイ技術がより高解像度、低消費電力、そして多様なフォームファクターへと急速に進化する中で、この動きを戦略的に重要なものと位置づけている。今回の投資の中心となるAMOLED技術は、すでにスマートフォンやウェアラブルデバイスにおいて主流となっており、さらに大型ディスプレイや拡張現実アプリケーションへの展開も加速している。
イノベーションセンターは、約10エーカー(約4万平方メートル)の工業用地に建設される予定で、50億元のうち40億元(6億2000万ドル)が設備、知的財産、運転資金に充てられ、残る10億元(1億5500万ドル)が土地取得と施設建設に充てられる計画となっている。
このセンターでは、純粋なディスプレイ技術開発にとどまらず、国産材料・装置に重点を置いた先進ディスプレイ技術開発、拡張現実やX線用途向け製品供給、ペロブスカイトやガラス基板などを含む半導体技術インキュベーションの三本柱で取り組む方針を打ち出している。
業界関係者は、今回の投資が広範な技術移転目標とも合致していると指摘しており、AMOLEDディスプレイに不可欠な薄膜成膜、フォトリソグラフィ、エッチング、パッケージングなどの工程が他の半導体分野にも応用可能であり、Visionoxがディスプレイ以外の分野でも優位性を得る可能性があるとみている。
崑山の新施設は2026年初頭までに稼働を開始する予定であり、数百人規模の高度技術職を創出し、地域の電子情報産業拠点としての地位をさらに強化する見通しとなっている。