Sunic System、中国企業にOLED研究用蒸着装置を供給


2025年1月22日 ET News

 

ソニックシステムズ(Sunic System)は、中国のディスプレイ材料企業であるSHAANXI LIGHTE OPTOELECTRONICS MATERIALに、有機EL(OLED)の研究用蒸着装置を供給します。

 

契約金額は80億ウォンで、契約期間は今年8月31日までとされています。また、同様の装置の追加供給についても協議が進められています。

 

SHAANXI LIGHTE OPTOELECTRONICS MATERIALは、中国のディスプレイメーカーBOEが出資している発光材料の製造企業です。同社はBOEに加え、CSOTやEDOなどにもレッドプライムを供給していることで知られています。レッドプライムは、OLEDにおいて発光材料であるドーパントやホストの発光効率を高める役割を果たします。

 

さらに、SHAANXI LIGHTE OPTOELECTRONICS MATERIALはOLED中間体材料の生産も行っています。中間体とは、OLED材料となる前の化学物質で、まだOLED特性を持たない状態の物質です。

 

ソニックシステムズはOLED蒸着装置を製造する韓国の装置メーカーで、蒸着装置はOLED材料をディスプレイの画素に変えるための装置であり、ディスプレイ製造の核心技術となっています。

 

同社は昨年、中国BOEから8.6世代のOLED生産ライン向けにハーフカット蒸着装置2台を受注し、韓国メーカーとして初めてOLED蒸着装置の商業化を実現しました。中小型OLED蒸着装置(6世代および8世代)は、これまで日本が独占してきた分野です。

 

ソニックシステムズは研究用蒸着装置の納品実績を積み重ね、量産用装置へと展開する事業範囲を拡大しています。

 

昨年9月にはデュポン スペシャルティソリューションズコリア、10月にはサムスンディスプレイ、12月にはメルク パフォーマンスマテリアルズから研究用装置を受注しました。

 

また、中国のVisionxも2025年上半期中に8.6世代OLED生産ライン向け蒸着装置の選定を決定する予定とされています。この過程で、研究用装置を供給し、BOE向けの量産装置を受注した事例が大きな効果を発揮すると見込まれています。