2024-10-25 The Elec
現在、Solus Advanced Materials(ソルース先端素材)の子会社であるソルースアイテックの含悦工場では非発光材料のみを生産していますが、24日に着工した新しい含悦工場が完成すると、ここで発光材料も生産される予定です。この新しい含悦工場は2025年末に完成し、2026年初頭に量産開始を目指しています。
これまでソルース先端素材は、発光材料をソルースアイテックの含悦工場から18km離れた益山工場(益山第2一般産業団地)で生産してきました。新たに建設される含悦工場は、工場棟、合成棟、事務棟、ユーティリティ棟を含む全体の建築面積が5736平方メートルで、益山工場(2891㎡)の2倍の規模です。
ソルースアイテック含悦工場は2023年の第4四半期に完成し、ここではOLED用の高屈折充填剤であるフィラーや封止材など非発光材料が生産されています。フィラーはサムスンディスプレイの量子ドット(QD)-OLEDに適用され、発光性能を改善し、封止材はフラッグシップスマートフォンやフォルダブルフォンのOLEDに使用されます。ソルースアイテックはソルース先端素材が非発光材料事業を拡大するために2022年に設立されました。
ソルース先端素材は発光材料である正孔ブロック層(aETL: advanced Electron Transporting Layer, HBL)と、非発光材料として陰極の上に蒸着する補助層CPL(キャッピングレイヤー)などを量産しています。CPLは光を直接発しないものの、屈折率を改善し、消費電力を削減することが可能です。
ソルース先端素材がパネルメーカーに納品中のOLED材料のうち、自社開発しているものはaETLのみで、その他の材料はOEM方式で製造されています。
会社の主力であるaETLについては不安定な状態です。aETLはかつてサムスン電子のGalaxy Note 4に初めて適用された際に、サムスンSDIに続いてソルース先端素材が継続的に供給してきましたが、現在のM13およびM14用aETLはLG化学が納品しています。M13はサムスン電子のGalaxy S24シリーズ、M14はAppleのiPhone 16シリーズに使用されています。
ソルース先端素材はKOTRAの投資補助金確保を目的に、最近、益山市および全羅北道庁と投資補助金に関する業務協約(MOU)を締結しました。キム・テヒョン社長は、「拡張移転は市場成長と拡大に対応するための先行投資」と述べ、「発光材料と非発光材料を包括する生産拠点を構築する」と語りました。