2024年12月5日 Display Dialy
Omdiaの最新レポートによると、小型・中型ディスプレイ向けのOLEDの世界出荷台数が2025年に10億ユニットを超える見通しです。このマイルストーンは、10インチ未満のディスプレイから始まったOLED技術の20年にわたる進化の集大成となります。
OLED採用拡大の背景
OLED技術は、従来のLCDディスプレイと比較して、以下の優れた性能特性により急速に普及が進んでいます。
より鮮やかな色彩表現
スリムな形状
軽量性
柔軟性
優れたコントラスト比
これらの利点により、特に中国での生産能力の拡大を背景に、LCDからOLEDへの転換が加速しています。
Omdiaのディスプレイ部門上級リサーチディレクターであるデイビッド・シエ氏は次のように述べています。「OLEDは、製造コストの高さや複雑さにもかかわらず、小型から中型ディスプレイに最適であることを証明しました。そのスリムなデザイン、軽量性、優れた画質、効率的な消費電力、柔軟性により、現代のデバイス用途において非常に魅力的です。」
スマートフォンセクターが成長を牽引
特にスマートフォン分野での成長が顕著であり、中国メーカーのBOE、TCL CSOT、EverDisplay、Visionox、天馬(Tianma)などが、韓国の大手メーカーであるサムスンとLGに並び、大きな前進を遂げています。また、AR/VRデバイス、自動車ディスプレイ、ウェアラブル機器といった新興市場でも採用が拡大しています。
メーカーの積極的な投資と革新
メーカーは、以下のような先進的な製造プロセスや技術革新に積極的に投資しています。
第8.6世代製造設備
LTPO+バックプレーン技術
画面下カメラ技術
ハイブリッドOLEDソリューション
タンデムRGB OLED技術
マスクレスフォトリソグラフィ方式
インクジェット印刷技術
将来の課題
しかし、報告書は将来的な課題も指摘しています。OLEDは今後数十年間「黄金時代」を享受すると予想されていますが、MicroLEDディスプレイのような新興技術が期待を高めつつあります。サムスンとLGはすでに伸縮可能なMicroLEDディスプレイの開発に取り組んでおり、AUOや天馬(Tianma)などのメーカーも小型から中型のMicroLEDディスプレイの量産を開始しています。