2024年12月9日 Wit Display
2024年の第3四半期、小型有機EL(OLED)の世界出荷量は前期比7.8%増加しました。このカテゴリーにはスマートフォンやスマートウォッチ向けの製品が含まれます。サムスンディスプレイが首位を維持し、BOE(京東方)とLGディスプレイ(LGD)がそれぞれ2位、3位に続きます。サムスンとLGDの市場シェアを合わせると、全体の51%を占めました。
第3四半期の市場データ
UBIリサーチが12月9日に発表した「第4四半期小型OLED市場追跡レポート」によると、第3四半期の小型OLED出荷量は2億4700万枚で、前期比7.8%、前年同期比32.6%の増加を記録しました。
サムスンディスプレイ:市場シェア39%(9590万枚)で1位
BOE(京東方):13%(3160万枚)で2位
LGディスプレイ(LGD):12%(2980万枚)で3位
Visionox(維信諾):11%(2760万枚)
Tianma(天馬):11%(2550万枚)
CSOT(華星光電):8%(2050万枚)
和輝光電:5%(1300万枚)
メーカー別成績
UBIリサーチの分析では、サムスンとBOEの出荷量は第2四半期と同等かやや減少したのに対し、LGディスプレイと和輝光電が急成長しました。
LGディスプレイ
・iPhone用パネルの出荷量が1760万枚で、前期比64%増加
・iPhone 16シリーズの需要増が顕著
・スマートウォッチ向けパネルの出荷量も1220万枚で、前期比147%増加
・小型OLED全体の出荷量は前期比74%増、前年同期比115%増
今後の展望
LGディスプレイは、2025年発売予定のiPhone 17シリーズでLTPO TFT技術を採用するため、さらに出荷量が増加すると予想されています。ただし、現在の生産能力がほぼ満杯のため、6世代ラインの拡張が必要とされています。
中国メーカーの動向
和輝光電と天馬の出荷量が増加。特に和輝光電は前期比で2倍以上の1300万枚を出荷しました。
第4四半期の見通し
UBIリサーチは、第4四半期にはLGディスプレイ、サムスンディスプレイ、BOEの出荷量が増加すると予測。第4四半期は通常出荷が最も多い時期であるため、2024年のスマートフォン向けOLEDの世界出荷量は8億枚を超えると見られています。