関税と市場飽和の影響でPC市場の成長が減速


2025年3月13日 Display Daily

 

市場調査会社IDCは、2025年以降の従来型PC市場の成長予測を下方修正した。

 

2025年の世界PC市場は3.7%の成長が見込まれ、出荷台数は2億7300万台に達すると予測されている。しかし、その後は成長が大幅に鈍化し、2029年までの年間成長率は1%未満にとどまる見通しだ。

 

この新たな見通しに影響を与える要因

・米国の対中関税と消費者心理の低迷が、世界最大のPC市場に悪影響を及ぼしている。

・タブレットの出荷台数は2025年に0.8%減少し、1億4,330万台となる見込み。市場の飽和により、2029年まで緩やかな減少が続くと予測されている。

・商業部門、特に教育機関や企業のWindows 11移行が、2025年のPC市場成長の主な原動力となる。

・Windows 10のサポート終了に伴い、特に日本ではPCの買い替え需要が高まり、2桁成長を記録している。

 

市場の明るい要素も存在

・ワークステーションの出荷台数は引き続き堅調に推移する見通し。

・中国では消費者向け補助金の影響でタブレット需要が拡大している。

・AI PCの普及は当初の課題に直面しているものの、IDCは2025年末までにより強固なエコシステムが構築されると予測。2026年には大半の新型PCが生成AI(GenAI)対応になる見込み。