APシステムが工場を増築し、10.5世代向け封止装置市場を狙う


2018.07.15 ET News

 

APシステムが、第10.5世代規格の超大型基板の製造装置を製作することができるクリーンルームを建設した。これまでは第6世代フレキシブル有機EL(OLED)のための製造装置が主力だが、新たに開発した新概念の封止装置などで10.5世代の大型OLED市場に進出するためである。顧客の多様化を遂げたのに続いて、新規分野の製造装置市場に進出して、中小型と大型OLEDパネル市場の両方で成長するという戦略だ。

 

APシステム(代表キム・ヨンジュ)は最近、忠清南道天安事業場を増築して、約1400坪の面積に1000坪規模クリーンルームを新設した。不動産賃貸・管理・開発を担当する子会社APS-AMDが約150億ウォンを投資しており、着工7ヶ月ぶりに完成した。これにより、天安事業場クリーンルーム規模は合計5200坪になった。 

 

APシステムは、研究開発を終えた超大型10.5世代OLED装置を製作するための新しいクリーンルームを設計した。既存の天安事業場で6世代の中小型ディスプレイ製造装置とモジュール製造装置などを製造してきたが、今回の増築により大規模な装置まで製作できるようになった。

 

APシステムは、サムスンディスプレイにレーザーリフトオフ(LLO)や、レーザー結晶化(ELA)装置を納品し、急速に成長した。昨年は新たに、後工程のラミネート装置を供給した。このような実績をもとに、中国のBOE、チャイナスター、Visionoxなどへ製造装置を納品して、海外での実績の割合も上昇した。 

 

APシステムは、これまでの研究開発してきたOLED薄膜封止(TFE)向けの製造装置で、製品のファミリーを多様化する計画である。フレキシブルOLEDを製造する場合に、有機膜と無機膜を生成する装置を各メーカーが個別に供給しているが、これをトータルシステムとして実現すれば、高品質の薄膜をより効率的に製作することができるものと推定した。 

 

転換社債を取得したユニジェットの印刷装置とAPシステムの装置を組み合わせてトータルシステムを作った。無機膜の形成時に使用するプラズマ化学気相蒸着(PECVD)の代わりに、原子層堆積(ALD)を使用した装置、ALDレベルの高品質薄膜を形成するハイブリッド方式の装置を開発した。第6世代だけでなく、10.5世代の超大型パネルにも適用することができるように技術を確保した。

 

現在、新しい機器は、顧客からの性能試験を受けている。まだ供給するかどうかは決定されていないが、国内外の10.5世代市場で成果を出すという目標に技術の完成度を高めている。

 

APシステムは、コア顧客であるサムスンディスプレイが当初予想した新規工場の投資をせずに、実績の低下の懸念が大きくなった。昨年から中国の顧客を多数確保して、2016年の売上高5412億ウォンで、2017年の売上高は1兆1400億ウォン(17年3月に会社分割の前後合算基準)で成長し、1兆クラブに入った。 

 

増築した天安事業場を含めて東灘、発案などにある4つの製造施設をベースに2020年の売上高2兆ウォン台の企業に成長する方針だ。 

 

APシステムの関係者は、「製造設備を増築して、国内外の顧客の大規模なディスプレイ機器発注に先制対応する準備を終えた」とし「世界市場でAPシステムのブランドをより強固にする」と語った。