台湾のAUO、有機ELでインクジェット印刷プロセスを開発


2018.08.02 ET News

 

台湾のディスプレイパネルメーカのAUOが蒸着方式有機EL(OLED)の生産をスキップし、次世代インクジェット印刷でOLEDパネルを生産する見込みである。モニター、自動車用ディスプレイなどIT製品の市場を優先目標に、次世代の技術製品を供給する。 

 

2日、業界によると、台湾AUOは最近に4.5世代規格でインクジェット印刷方式OLEDを製造する案を推進している。具体的装置の性能と投資規模などを決定し、第4.5世代規格のインクジェット印刷ラインに投資して生産する方針だ。 AUOはモニター、自動車などのITパネル市場に強い。これまでは液晶(LCD)を中心に生産しているが、資金不足などで韓国や中国のようにOLEDへの投資余力が不足し、積極的に有機EL事業を推進出来なかった。インセルのタッチベースのスマートウォッチ用OLED、スマートフォン用フレキシブルOLED、フォルダブルOLEDの試作品などを公開したことはあるが、OLEDの量産の経験はまだない。 昨年に昆山で6世代規格リジッド・フレキシブルOLEDに投資して、今年から生成する可能性が計画されたが、実際の投資は行わなかった。最近では、LCDの価格が下落し、業績が悪化した。 

 

AUOは、新しい市場を先取りするために、当初計画した第6世代OLED投資を中止し、次世代の製造工程であるインクジェット印刷を採用したとみられる。すでにJOLEDが高解像度のモニターと自動車市場を狙ってインクジェットプリンティングベースのパネルの生産に挑戦している。AUOが先進的なLCD技術をもとに、IT機器用パネル市場の有力メーカーとして君臨してきただけに、これまでに得た競争力をフレキシブルOLEDに継承するという戦略だ。 現在のインクジェット印刷技術は、LGディスプレーとサムスンディスプレイをはじめ、BOE、チャイナスターが大型TVパネルに導入しようと検討している。R・G・B(赤・緑・青)画素を蒸着せずに印刷方式で印刷する技術は、世界でまだ量産に導入されたことがない。このために、ニッチだがJOLEDやAUOがRGBインクジェットプリンティング技術の量産にまず挑戦することになる。 

 

自動車用ディスプレイは、中小型フレキシブルOLED市場で先行したサムスンのディスプレイとLGディスプレイが次世代の成長分野として狙う。LGディスプレーは、過去数年間で多数の自動車メーカーと協力してOLED搭載を推進した。来年下半期からこの事業に本格的に立ち上げる方針だ。 業界関係者は「台湾は韓国・中国に比べて中小型フレキシブルOLEDに積極的に投資できず、ますます競争力が失われたと評価を受けてきた」とし「AUOがミニLEDなどLCD技術の高度化を積極的に研究しており、インクジェット印刷方式OLEDにも挑戦して競争力を高めようとしている。」と話した。