リジッドOLED工場、スマートフォンパネル市場で稼働率が低下


2018.12.17 ET News

 

スマートフォン市場でのリジッド有機EL(OLED)パネルの販売が、低温多結晶シリコン液晶(LTPS LCD)とフレキシブルOLEDに押されて苦戦している。来年度のスマートフォンの新モデルの発売を控えて、LTPS LCDとフレキシブルOLED稼働率が上昇している。一方、リジッドOLEDは成長率がこれに達していない。 

 

17日、業界によると、下半期に入って、来年のスマートフォンの新製品に供給パネルの生産が増加し、主なディスプレイメーカーの中小型パネル工場の稼働率が上昇した。特に中国のスマートフォンのブランドを中心に、LTPS LCDを採用が増加するにつれて天馬、BOE、AUOなど上位の中小型LCDメーカーの稼働率が90%前後の水準を維持した。

 

アップルでは新しいプレミアムLCDモデルのiPhone XRの数量が増え、LGディスプレーの稼働率も上昇した。LGディスプレーの昨年第4四半期LTPS LCD工場の稼働率は70%程度だったが、今年第4四半期には80%の稼働率を突破し、前年水準を上回ったとみられる。

 

一方、リジッドOLEDは稼働率が第1四半期に50〜60%水準で低下したが、第3四半期に80%水準まで回復した。しかし、第4四半期に再び60%水準に減少したことが把握された。サムスンディスプレイのフレキシブルOLED生産工場であるA3稼働率が、第3四半期60%台から第4四半期の70%台に増加したことを考慮すれば、リジッドOLEDのみが今年の後半に稼働率が低下したわけだ。 

 

市場調査会社DSCCは、サムスンディスプレイのリジッドOLED稼働率を今年第4四半期で60%後半と予想した。中国のTrulyを除けば、サムスンディスプレイだけでなく、エバーディスプレイ、天馬、Visionox、BOEなどリジッドOLEDサプライヤのほとんどが第3四半期に稼働率が上昇したが、第4四半期に減少したと予測した。

 

OLEDとLTPS LCD工場の稼働率の見通し。(資料= DSCC)
OLEDとLTPS LCD工場の稼働率の見通し。(資料= DSCC)

 

 

専門家は、リジッドOLEDがスマートフォン市場での価格が、手頃な価格のLTPS LCDとプレミアムスマートフォンに主に搭載されるフレキシブルOLEDの間で、これといった差別化競争力を確保していないと分析した。昨年もLTPS LCDとリジッドOLED間価格競争力があり、デザイン面の差が大きくないみる中国のスマートフォンメーカーを中心に、価格がより手頃な価格LTPS LCDに需要が集中したと見た。 

 

スマートフォンのほか、確実なアプリケーションの市場を見つけられなかったことも理由の一つだ。モニター、ノートパソコンなどにもリジッドOLEDを搭載する試みをしたが、まだ数量が大きくない。 LTPS LCDは天馬、BOE、チャイナスター、AUOなど、世界のほとんどのパネルメーカーが供給するが、フレキシブルOLEDは、サムスンディスプレイが独占して、スマートフォンメーカーが需給に負担を感じることも採用の減少の原因の一つとして指摘されている。 

 

リジッドOLEDは、サムスンディスプレイのほかVisionox、エバーディスプレイ、天馬、Trulyなど中国の多くのパネルメーカが供給する。しかし、サムスンディスプレイが世界のリジッドOLED生産能力の70%以上保有して事実上の寡占をしている。