2018.07.10 ET News
中国政府が地方政府の「強引な投資」に歯止めをかけているが、まだ主要ディスプレイ企業は設備投資を継続している。当初の投資のスケジュールがいくつかの遅延されたりしたが、上位企業を中心に中小型フレキシブル有機EL(OLED)の投資を推し進めている。大画面スマートフォンだけでなく、次世代のフォルダブルスマートフォン用パネルの開発と量産も加速している。
10日、業界によると、最近、中国エバーディスプレイ(EDO)は、新たな上海6世代フレキシブルOLED工場に製造設備の搬入を開始した。
EDOは、既存の第4.5世代工場でリジッド(ガラス基板)とフレキシブルOLEDをすでに生産してきた。来年第1四半期の生産を開始する新工場では、フルスクリーンのスマートフォンのための5.9インチWQHD+の解像度のパネルとウェアラブル用2インチOLEDを生産する予定である。ステップ1の投資規模が月に7500枚で大きくないが、徐々に生産量を増やしていく方針だ。 エバーディスプレイは、同時に既存の第4.5世代工場でフォルダブルとローラーブルOLEDパネルも生産すると発表した。曲率半径3㎜の5.5インチフォルダブルOLEDパネルと曲率半径5㎜の5.5インチローラーブルパネルの試作品を公開した。中小型OLED市場に早くから参入して経験を積んだので、次世代スマートフォン市場を先行できるという計画である。
最も積極的に投資するBOEも、中小型フレキシブルOLED事業に取り組んでいる。同社は最近、最初の6世代のフレキシブルOLED生産ラインであるB7の収率が60%を超えたと述べた。Huaweiなどの中国の主要なスマートフォンメーカーにフレキシブルOLEDを供給する。
中小型フレキシブルOLEDに投資した中国パネルメーカーは、今年の生産目標を高く設定した。BOE、Visionox、天馬などの主要企業は、昨年の生産量の10倍以上に生産量を増やす方針だ。まだ韓国企業との技術格差が大きいが、低品質のパネルでも内需市場に供給できる環境なので、今年は、ビジネスで目に見える成果を出すという戦略である。
市場調査会社IHSによると、BOEの昨年フレキシブルOLEDパネル出荷量が10万台に過ぎなかったが、今年は3000万台を出荷するという目標を立てた。LGディスプレイが昨に年120万台を出荷し、今年は2500万台の出荷を目標にしたものよりも高い数値だ。 天馬はリジッドとフレキシブルOLEDを合わせ、昨年は130万台を出荷し、今年は1000万台の出荷目標を立てた。Visionoxは昨年は300万台で、今年は2000万台のリジッド・フレキシブルOLEDを出荷する方針だ。
最近の韓国の業界は、中国の中央政府が地方政府の負債比率などを問題視し、投資規模と投資の速度で、ある程度は投資にブレーキがかかったが、主な上位企業の投資は、計画通りに行われるものと見ている。BOE、チャイナスター(CSOT)、Visionox、EDO、天馬などが主な上位企業に選ばれている。すでに中小型OLEDパネル向けに投資を執行して、少しずつ成果も出していているOLED中心のディスプレイ産業育成戦略はまだしばらく継続すると見ている。