フィル・オプティクス(Phioptics)が第6世代基板用「ファインメタルマスク(FMM)」の量産に始動をかける。独自開発しためっき技術で生産性と価格競争力を高める集中する。日本企業が掌握したFMM市場に新たな韓国での国産化の風を起こすことができるか注目される。
17日、業界によると、フィルオプティクス(代表ハンギス)は年内に既存の4.5世代FMM開発ラインを6世代の試験生産ラインに転換する。国内外の顧客の要求に応じて、第6世代サイズの試作品を製作することはもちろん、今後の本格量産のための重要な生産拠点を構築する。
フィル・オプティクスは、子会社フィルマテリアルズに2013年からFMM国産化のために、約70億ウォンを投資した。今後は6世代用FMMを量産するための最初の生産ラインの構築に、100億ウォンを追加投入する計画だ。今年上半期だけ試験生産のために約20億ウォンの投資を執行した。
フィル・オプティクスの関係者は、「FMMは、最近の日本の輸出規制に対応するため、政府とディスプレイ業界が国産化を積極的に推進している素材・部品・機器品目に含まれる」とし「最近、お客様に提供した4.5世代の試作品が肯定的な評価を受け、さらに6世代用のサンプル要求が増えた」と伝えた。
鉄とニッケルを合金したインバー(Invar)素材を使用しているFMMは、有機EL(OLED)の工程に使用される主要部品である。約20㎛厚の金属板に数千万個の微細孔があいている蒸着用パターンのマスクである。パウダー状の有機物に高温を加えて気化させるとFMMを通して基板に成膜しながら画素を形成する。
現在、韓国内FMM市場は4000億〜5000億ウォン規模と推定される。超薄膜を形成するスーパーインバー製作技術を保有している日本の日立金属とその素材を使ってFMMを生産する大日本印刷(DNP)が100%に近い市場シェアを確保した状態である。
フィル・オプティクスは、これまでFMM開発の難題に挙げられた熱膨張率 2PPM/K以下を達成した。同社は5〜15㎛厚さの薄いメッキ技術により、従来のエッチング工法よりも高い1000ppi以上の高解像度を実現することができると見ている。また、歩留まりの改善し、生産性を高め、従来比較で低コストなFMMを製作することができると説明した。
フィル・オプティクスの関係者は、「第6世代用試験生産ラインを構築後、早い時間内に量産性品質認証を受けられるように努力する」とし「今後、FMMプロセス関連企業と緊密に協力する」と述べた。