2018.09.10 ET News
サムスンSDIがフォルダブルスマートフォンの重要素材である光学用透明粘着フィルム(OCA)を開発した。サムスン電子が発売するフォルダブルスマートフォンに適用される。
OCAは、ディスプレイの製造に使われる接着剤である。偏光板のようなフィルムの貼り付けに活用する。フォルダブルフォンは、画面をたたんだり、展開するために、接着剤もフォルダブルでの使用が可能であるようにしなければならない。フォルダブル用のOCAは過去にない製品である。サムスンSDIが、これ開発しフォルダブルポンの商用化技術の難題を解決した。サムスンSDIは新製品として注目されるフォルダブル市場で成長できる。
10日、業界によると、サムスンSDIはフォルダブル用のOCAを開発、サムスン電子が発売するフォルダブルフォンに適用することがわかった。サムスンSDIは、4〜5年前から製品を開発しており、最近は3Mなどの競合他社を引き離して、サムスン電子の最終納品メーカに選ばれた。業界関係者は、「フォルダブル用OCAサプライヤでサムスンSDIが確定したと聞いている」とし「サムスンSDIが単独で供給する」と伝えた。 OCAはフィルムの形体の接着剤である。両面に接着成分が塗られていて、ディスプレイの製造に使われるフィルム貼付に使用される。サイズと形状が様々なスマートフォン用として簡単かつ安価に対応でき、従来の接着剤スプレー方式を代替している。フォルダブル用OCAは、フォルダブルフォン特性上、折れる部位を接合する必要があるため、高難度の技術を必要とする。少なくとも20万回の折り曲げでも製品に傷や破損が発生してはならない。
フォルダブル用OCAは、既存のスマートフォンのディスプレイ用OCAと全く異なる特性を確保する必要があるため、接着材料会社のごく少数だけが製品を開発している。
<ディスプレイの構造とOCA適用例>
サムスンSDIは、フォルダブル用OCA素材の初の国産化に成功し、フォルダブルフォン市場で優位に立った。サムスン電子は、今年11月に世界初のフォルダブルフォンを発表することが予想される。ここでOCAを供給するサムスンSDIも世界初の栄誉を得るとみられる。
競合他社を抜いてサムスンのフォルダブルフォンの素材に指名された効果は少なくないとみられる。これまで業界では3Mがサムスンのフォルダブルに供給するという観測が多かった。3MはOCA分野でのトップ企業として評価される。サムスンSDIがOCAのリーダーである3Mを抜いたわけである。3Mは今後、サムスン電子のフォルダブルフォン生産量が増える場合の供給先の多様化のタイミングを狙わなければならない状況だ。
フォルダブルスマートフォンはスマートフォンやタブレットの両方の機能を実現することができる。使いやすさのおかげで、スマートフォンの市場停滞を打破する新しい成長動力として注目されている。サムスン電子が初めて公開するフォルダブルフォンの生産量は月10万台水準と少量である。しかし、市場の反応に応じて追加生産し、次期モデルも発売する計画で、市場拡大が予想される。サムスン電子だけでなく中国のファウエイ、Oppo、小米などのスマートフォンメーカーもフォルダブルフォンの開発に着手しただけに、今後のグローバル市場も急速に拡大するものと思われる。サムスンSDIの関係者は、サムスン電子への供給状況について「フォルダブル用フィルムを開発しているのは確かだが顧客が採用するかどうかは確認して与えることができない」と明言を避けた。