2024.11.13 Display Daily
TrendForceのレポートによると、2025年の世界のスマートフォンパネル出荷量は約1.7%減少し、合計で約20億3200万ユニットに達すると予測されています。一方、2024年にはスマートフォン市場が3%と控えめに成長すると見込まれていますが、中古品やリファービッシュ(再生)デバイスの需要がパネル出荷量を押し上げ、前年比6.7%増の約20億6600万ユニットに達する見通しです。
TrendForceによると、2025年にはスマートフォン市場が安定し、供給と需要のバランスが徐々に従来の状態に戻ると予測されています。中古デバイスの需要がやや減少することで新製品出荷への圧力が和らぐ可能性はあるものの、全体的なスマートフォンパネル需要はわずかに減少すると見られています。
BOEは引き続き市場をリードしており、2024年のスマートフォンパネル出荷量は5億9300万ユニットに達する見通しです。2025年には出荷量が2.8%増加し、6億1000万ユニットに達すると予測され、世界のリーダーとしての地位を維持します。2位のSamsung Displayは、2024年に3億7600万ユニット近くの出荷を達成する見込みですが、Appleのサプライヤー多様化の影響で2025年には出荷量が3.1%減少し、約3億6500万ユニットになると予測されています。
3位のHKCは、コスト効率の高い第8.6世代の生産ラインが成長を牽引しており、2024年の2億1900万ユニットから2025年には2億3000万ユニットに4.8%増加すると予測されています。4位のCSOTはXiaomiとの提携の恩恵を受け、2024年の1億9100万ユニットから2025年には1億9200万ユニットに微増すると予想されています。5位のTianmaは、LTPS LCD需要の減少をAMOLED需要の増加で補い、出荷量を1億8800万ユニットで安定させる見込みです。
地域的には、中国メーカーは特に中~高価格帯のAMOLED市場や低価格帯のa-Si LCD市場で勢いを増しており、2024年には世界市場シェアが68.8%に達し、2025年には70%を超える可能性があります。これにより、世界のスマートフォンパネル供給チェーンにおける中心的な役割を果たすことが示されています。一方で、台湾メーカーはHKCの急成長により圧力を受け、日本企業はスマートフォンパネル市場から徐々に撤退しています。韓国メーカーは高価格帯のAMOLEDパネルに特化しており、プレミアム市場で20~21%の安定した市場シェアを維持し、競争力を保っています。